古典ライブラリー

源氏物語 第4帖 夕顔(10)

なきがらとの別れ

登場人物:光源氏・惟光・右近・夕顔

惟光から葬送の手はずを聞いた源氏は、もう一度亡骸を見たいと、夜、馬で東山へ向かう。尼の家で、まだ生前のままのかわいらしい亡骸の手を取って泣く。右近を二条院へ誘うが、右近は煙とともに後を追いたいと嘆く。帰り道、源氏は鴨川の堤で落馬しそうになり、惟光に助けられてようやく二条院に帰り着く。

灯明のともる山寺の小さな堂で、夕顔の亡骸を前に源氏と右近が別れを惜しんでいる場面(AI生成)
灯明のともる山寺の小さな堂で、夕顔の亡骸を前に源氏と右近が別れを惜しんでいる場面
  1. 1日ひ日ひひ暮く暮くくれれれててて惟光これみつ惟光これみつこれみつ參まゐ參まゐまいれれれりりり。。。かゝるかゝるかかるけがらひけがらひけがらいありありありとととののの給のたま給のたまのたまひひいててて、、、參まゐ參まゐまいるるる人々びと人々びとびとももも皆みな皆みなみな立た立たたちちちながらながらながらまかづれまかづれまかずればばば人ひと人ひとひとしげからしげからしげからずずず召め召めめししし寄よ寄よよせせせててて
  2. 2「「「いかにいかにいかにぞぞぞ今いま今いまいまはははととと見み見みみはてはてはてつつつややや」」」とととののの給のたま給のたまのたまふふうまゝまゝままににに、、、袖そで袖そでそでををを御おん御おんおん顏かほ顏かほかおににに押お押おおしししあてゝあてゝあてて泣な泣ななききき給たま給たまたまふふう。。。惟光これみつ惟光これみつこれみつもももなくなくなくなくなくなく「「「今いま今いまいまはははかぎりかぎりかぎりにににこそこそこそははは物もの物ものものししし給たま給たまたまふふうめれめれめれ。。。
  3. 3長々ながなが長々ながながながながととと籠こも籠こもこもりりり侍はべ侍はべはべらららむむんもももびんなきびんなきびんなきををを、、、明日あす明日あすあすなむなむなん日ひ日ひひよろしくよろしくよろしく侍はべ侍はべはべれれればばば、、、とかくとかくとかくののの事こと事ことこといといといと尊たふと尊たふととうとききき老僧らうそう老僧らうそうろうそうのののあひあひあい知し知ししりりりててて侍はべ侍はべはべるるるににに言い言いいひひい語かた語かたかたらひらひらいつけつけつけ侍はべ侍はべはべりりりぬるぬるぬる」」」ととときこゆきこゆきこゆ。。。
  4. 4「「「添そ添そそひひいたりたりたりつるつるつる女をんな女をんなおんなはははいかにいかにいかに」」」とととのたまへのたまへのたまえばばば、、、「「「それそれそれなむなむなんまたまたまたえええ生い生いいくくくまじうまじうまじゅう侍はべ侍はべはべるるるめるめるめる。。。我わ我わわももも後おく後おくおくれれれじじじととと惑まど惑まどまどひひい侍はべ侍はべはべりりりててて今朝けさ今朝けさけさははは谷たに谷たにたににににももも落お落おおちちち入い入いいりりりぬぬぬべくべくべくなむなむなん見み見みみ給たま給たまたまへへえつるつるつる。。。
  5. 5かのかのかのふるさとびとふるさとびとふるさとびとににに告つ告つつげげげ遣や遣ややらららむむんととと申まう申まうもうせせせどどど、、、しばししばししばし思おも思おもおもひひいしづめよしづめよしずめよ、、、ことことことのののさまさまさま思おも思おもおもひひいめぐらしめぐらしめぐらしてててとととなむなむなんこしらへこしらへこしらえ置お置おおききき侍はべ侍はべはべりりりつるつるつる」」」ととと語かた語かたかたりりり聞きこ聞きこきこゆるゆるゆるまゝまゝままににに、、、いといといといみじいみじいみじととと覺おぼ覺おぼおぼしししててて、、、
  6. 6「「「我わ我わわもももいといといと心地ここち心地ここちここちなやましくなやましくなやましく、、、いかなるいかなるいかなるべきべきべきにににかかかとととなむなむなん覺おぼ覺おぼおぼゆるゆるゆる」」」とととののの給のたま給のたまのたまふふう。。。「「「何なに何なになにかかか更さら更さらさらにににおもほしおもほしおもおしものせものせものせさせさせさせ給たま給たまたまふふう。。。さるべきさるべきさるべきにににこそこそこそ萬よろづ萬よろづよろずののの事こと事ことこと侍はべ侍はべはべらららめめめ。。。人ひと人ひとひとにににももも漏もら漏もらもらさささじじじととと思おも思おもおもひひいたまふれたまふれたまうればばば惟光これみつ惟光これみつこれみつおりおりおり立た立たたちちちててて萬よろづ萬よろづよろずはははものしものしものし侍はべ侍はべはべるるる」」」などなどなど申まう申まうもうすすす。。。
  7. 7「「「さかしさかしさかし、、、さささみなみなみな思おも思おもおもひひいなせなせなせどどど浮うか浮うかうかびびびたるたるたる心こころ心こころこころのののすさびすさびすさびににに人ひと人ひとひとをををいたづらいたづらいたずらににになしなしなしつるつるつるかごとかごとかごと負お負おおひひいぬぬぬべきべきべきがががいといといとからきからきからきなりなりなり。。。少將せうしやう少將せうしやうしょうしょうののの命婦みやうぶ命婦みやうぶみょうぶなどなどなどにもにもにも聞き聞ききかかかすすすななな。。。
  8. 8尼君あまぎみ尼君あまぎみあまぎみましてましてましてかやうかやうかようののの事こと事ことことなどなどなどいさめいさめいさめらるゝらるゝらるるををを心こころ心こころこころ耻はづか耻はづかはずかしくしくしくなむなむなん覺おぼ覺おぼおぼゆゆゆべきべきべき」」」ととと口くち口くちくちがためがためがため給たま給たまたまふふう。。。「「「さらさらさらぬぬぬ法師ほふし法師ほふしほうしばらばらばらなどなどなどにもにもにもみなみなみないひいひいいなすなすなすさまさまさま異こと異ことことににに侍はべ侍はべはべるるる」」」ととと聞きこ聞きこきこゆるゆるゆるにににぞぞぞかゝりかゝりかかり給たま給たまたまへへえるるる。。。
  9. 9ほのほのほの聞き聞ききくくく女房にようばう女房にようばうにょうぼうなどなどなど、、、怪あや怪あやあやしくしくしく何事なにごと何事なにごとなにごとならならならむむん、、、けがらひけがらひけがらいのののよしよしよしののの給のたま給のたまのたまひひいてててうちうちうちにににももも參まゐ參まゐまいりりり給たま給たまたまははわずずず、、、又また又またまたかくかくかくさゝめきさゝめきささめき歎なげ歎なげなげききき給たま給たまたまふふうとととほのぼのほのぼのほのぼのあやしがるあやしがるあやしがる。。。
  10. 10「「「更さら更さらさらににに事こと事ことことなくなくなくしししなせなせなせ」」」とととそのそのそのほどほどほどののののたまへのたまへのたまえどどど、、、「「「なにかなにかなにかことごとしくことごとしくことごとしくすすすべきべきべきにににももも侍はべ侍はべはべらららずずず」」」とととててて、、、立た立たたつつつがががいといといと悲かな悲かなかなしくしくしく覺おぼ覺おぼおぼさささるれるれるればばばびんなしびんなしびんなしととと思おも思おもおもふふうべけれべけれべけれどどど、、、
  11. 11「「「今いま今いまいま一度ひとたび一度ひとたびひとたびかのかのかのなきがらなきがらなきがらををを見み見みみざらざらざらむむんがががいといといといぶせかるいぶせかるいぶせかるべきべきべきををを、、、馬むま馬むまうまにてにてにてものせものせものせむむん」」」とととののの給のたま給のたまのたまふふうををを、、、いといといとたいだいしきたいだいしきたいだいしき事こと事ことこととととははは思おも思おもおもへへえどどど「「「さささ覺おぼ覺おぼおぼささされれれむむんはははいかゞいかゞいかがせせせむむん。。。はやはやはやおはしましおはしましおわしましててて、、、夜よ夜よよ更ふ更ふふけけけぬぬぬさきさきさきににに歸かへ歸かへかえらららせせせおはしませおはしませおわしませ」」」ととと申まう申まうもうせせせばばば、、、
  12. 12このこのこの頃ころ頃ころころののの御おん御おんおんやつれやつれやつれににに設まう設まうもうけけけ給たま給たまたまへへえるるる狩かり狩かりかりののの御おん御おんおんそうそうそう束ぞく束ぞくぞく着き着ききかへかへかえなどなどなどしししててて出い出いいででで給たま給たまたまふふう。。。
  13. 13御おん御おんおん心地ここち心地ここちここちかきかきかきくらしくらしくらしいみじくいみじくいみじく堪た堪たたへへえ難がた難がたがたけれけれければばば、、、かくかくかく怪あや怪あやあやしきしきしき路みち路みちみちににに出い出いいででで立た立たたちちちてててももも危あやふ危あやふあやうかりかりかりしししものものものごりごりごりにににいかにいかにいかにせせせむむんととと覺おぼ覺おぼおぼしししわづらへわづらへわずらえどどど、、、
  14. 14猶なほ猶なほなお悲かな悲かなかなしさしさしさのののやるやるやるかたかたかたなくなくなく、、、只今ただいま只今ただいまただいまのののからからからををを見み見みみででではははまたまたまたいついついつののの世よ世よよにににかかかありありありしししかたちかたちかたちをををももも見み見みみむむんとととおぼしおぼしおぼし念ねん念ねんねんじじじててて例れい例れいれいののの大夫たいふ大夫たいふたいふ、、、隨身ずいじん隨身ずいじんずいじんををを具ぐ具ぐぐしししててて出い出いいででで給たま給たまたまふふう。。。路みち路みちみち遠とほ遠とほとおくくくおぼゆおぼゆおぼゆ。。。
  15. 15十七日じふしちにち十七日じふしちにちじゅうしちにちののの月つき月つきつきさしさしさし出い出いいでゝでゝでて河原かはら河原かはらかわらのののほどほどほどみさきみさきみさきののの火ひ火ひひもももほのかほのかほのかなるなるなるにににのののかたかたかたなどなどなど見み見みみやりやりやりたるたるたるほどほどほどなどなどなど物もの物ものものむつかしきむつかしきむつかしきももも何なに何なになにともともとも覺おぼ覺おぼおぼえええ給たま給たまたまははわずずず。。。かきかきかきみだるみだるみだる心地ここち心地ここちここちししし給たま給たまたまひひいててて、、、おはしおはしおわしつきつきつきぬぬぬ。。。
  16. 16あたりあたりあたりさへさへさへすごきすごきすごきににに、、、板屋いたや板屋いたやいたやののの傍かたはら傍かたはらかたわらににに堂だう堂だうどう建た建たたてゝてゝてて行おこな行おこなおこなへへえるるる尼あま尼あまあまのののすまひすまひすまいいといといとあはれあはれあわれなりなりなり。。。みあかしみあかしみあかしののの影かげ影かげかげほのかほのかほのかににに透す透すすきききててて見み見みみゆゆゆ。。。
  17. 17そのそのその屋や屋ややにににははは女をんな女をんなおんな一人ひとり一人ひとりひとり泣な泣ななくくく聲こゑ聲こゑこえのみのみのみしししててて、、、とととののの方かた方かたかたににに法師ほふし法師ほふしほうしばらばらばらののの二三人ふたりみたり二三人ふたりみたりふたりみたり物語ものがたり物語ものがたりものがたりしししつゝつゝつつわざとわざとわざとののの聲こゑ聲こゑこえ立た立たたてててぬぬぬ念佛ねんぶつ念佛ねんぶつねんぶつぞぞぞするするする。。。
  18. 18寺々てらでら寺々てらでらてらでらのののももも皆みな皆みなみな行おこな行おこなおこなひひいはてゝはてゝはてていといといとしめやかしめやかしめやかなりなりなり。。。淸水きよみづ淸水きよみづきよみずののの方かた方かたかたぞぞぞ光ひかり光ひかりひかり多おほ多おほおおくくく見み見みみえええててて人ひと人ひとひとのののけはひけはひけわいもももしげかりしげかりしげかりけるけるける。。。
  19. 19このこのこの尼君あまぎみ尼君あまぎみあまぎみののの子こ子ここなるなるなるののの聲こゑ聲こゑこえたふとくたふとくとうとくててて經きやう經きやうきょううちうちうち讀よ讀よよみみみたるたるたるににに、、、淚なみだ淚なみだなみだ殘のこ殘のこのこりりりなくなくなくおぼさおぼさおぼさるるる。。。
  20. 20入い入いいりりり給たま給たまたまへへえれれればばば、、、火ひ火ひひ取と取ととりりりそむけそむけそむけててて右近うこん右近うこんうこんははは屏風びやうぶ屏風びやうぶびょうぶへだてゝへだてゝへだてて臥ふ臥ふふしししたりたりたり。。。いかにいかにいかにわびしからわびしからわびしからむむん。。。ととと見み見みみ給たま給たまたまふふう。。。恐おそろ恐おそろおそろしきしきしきげげげもももおぼえおぼえおぼえずずずいといといとらうたげらうたげろうたげなるなるなるさまさまさましししてててまだまだまだ聊いささか聊いささかいささかかはりかはりかわりたるたるたる所ところ所ところところなしなしなし。。。
  21. 21手て手ててををを捕とら捕とらとらへへえててて「「「我わ我わわににに今いま今いまいま一度ひとたび一度ひとたびひとたび聲こゑ聲こゑこえをををだにだにだに聞き聞ききかかかせせせ給たま給たまたまへへえ。。。いかなるいかなるいかなるむかしむかしむかしののの契ちぎり契ちぎりちぎりにににかかかありありありけむけむけん。。。暫しば暫しばしばしししののの程ほど程ほどほどににに心こころ心こころこころををを盡つく盡つくつくしししててて哀あはれ哀あはれあわれにににおぼえおぼえおぼえしししををを、、、うちうちうち捨す捨すすててて惑まど惑まどまどはしはしわし給たま給たまたまふふうがががいみじきいみじきいみじき事こと事ことこと」」」ととと聲こゑ聲こゑこえももも惜をし惜をしおしまままずずず泣な泣ななききき給たま給たまたまふふう事こと事ことこと限かぎり限かぎりかぎりなしなしなし。。。
  22. 22だいとこだいとこだいとこだちだちだちももも誰たれ誰たれたれとととははは知し知ししらららぬぬぬににに、、、怪あや怪あやあやしししととと思おも思おもおもひひいててて皆みな皆みなみな淚なみだ淚なみだなみだおとしおとしおとしけりけりけり。。。
  23. 23右近うこん右近うこんうこんををを「「「いざいざいざ二條院にでうのゐん二條院にでうのゐんにじょうのいんへへへ」」」とととののの給のたま給のたまのたまへへえどどど年比としごろ年比としごろとしごろをさなくをさなくおさなく侍はべ侍はべはべりりりしししよりよりより片時かたとき片時かたときかたとき立た立たたちちち離はな離はなはなれれれ奉たてまつ奉たてまつたてまつらららずずず馴な馴ななれれれ聞きこ聞きこきこえええつるつるつる人ひと人ひとひとににに俄にはか俄にはかにわかににに別わか別わかわかれれれ奉たてまつ奉たてまつたてまつりりりててて、、、いづこいづこいずこにににかかかかへりかへりかえり侍はべ侍はべはべらららむむん。。。
  24. 24いかにいかにいかになりなりなり給たま給たまたまひひいにににきききとととかかか人ひと人ひとひとにににもももいひいひいい侍はべ侍はべはべらららむむん。。。悲かな悲かなかなしきしきしき事こと事ことことをををばばばさるさるさるものものものにてにてにて、、、人ひと人ひとひとににに言い言いいひひい騷さわ騷さわさわがががれれれ侍はべ侍はべはべらららむむんがががいみじきいみじきいみじきことことこと」」」ととといひいひいいててて泣な泣ななききき惑まど惑まどまどひひいててて「「「煙けぶり煙けぶりけぶりにににたぐひたぐひたぐいててて慕した慕したしたひひい參まゐ參まゐまいりりりなななむむん」」」ととといふいふいう。。。
  25. 25「「「ことわりことわりことわりなれなれなれどどど、、、さささなむなむなん世よ世よよののの中なか中なかなかはははあるあるある。。。別わか別わかわかれれれととといふいふいうものものものゝゝの悲かな悲かなかなしからしからしからぬぬぬはははなしなしなし。。。とあるとあるとあるもももかゝるかゝるかかるももも同おな同おなおなじじじ命いのち命いのちいのちののの限かぎり限かぎりかぎりあるあるあるものものものににになむなむなんあるあるある。。。思おも思おもおもひひい慰なぐさ慰なぐさなぐさめめめてててわれわれわれをををたのめたのめたのめ」」」とととののの給のたま給のたまのたまひひいこしらへこしらへこしらえてててももも、、、
  26. 26「「「かくかくかくいふいふいう身み身みみこそこそこそははは生い生いいきききとまるとまるとまるまじきまじきまじき心地ここち心地ここちここちすれすれすれ」」」とととのたまふのたまふのたまうもももたのもしげたのもしげたのもしげなしなしなしややや。。。惟光これみつ惟光これみつこれみつ「「「夜よ夜よよははは明方あけがた明方あけがたあけがたににになりなりなり侍はべ侍はべはべりりりぬぬぬらむらむらん。。。はやはやはや歸かへ歸かへかえらららせせせ給たま給たまたまひひいなななむむん」」」ととと聞きこ聞きこきこゆれゆれゆればばば、、、
  27. 27顧かへり顧かへりかえりみみみのみのみのみせせせられられられててて胸むね胸むねむねもももつとつとつとふたがりふたがりふたがりててて出い出いいででで給たま給たまたまふふう。。。路みち路みちみちいといといと露つゆ露つゆつゆけきけきけきにににいとゞしきいとゞしきいとどしき朝霧あさぎり朝霧あさぎりあさぎりにににいづこいづこいずこともともともなくなくなく惑まど惑まどまどふふう心地ここち心地ここちここちししし給たま給たまたまふふう。。。
  28. 28ありありありしししながらながらながらうちうちうち臥ふ臥ふふしししたりたりたりつるつるつるさまさまさまうちうちうち交かは交かはかわししし給たま給たまたまへへえりりりしししががが我わ我わわががが紅くれなゐ紅くれなゐくれないののの御おん御おんおんぞぞぞののの着き着ききららられれれたりたりたりつるつるつるなどなどなどいかなりいかなりいかなりけむけむけん契ちぎり契ちぎりちぎりにににかかかととと道みち道みちみちすがらすがらすがらおぼさおぼさおぼさるるる。。。
  29. 29御おん御おんおん馬むま馬むまうまにににもももはかばかしくはかばかしくはかばかしく乘の乘ののりりりたまふたまふたまうまじきまじきまじき御おん御おんおんさまさまさまなれなれなればばば又また又またまた惟光これみつ惟光これみつこれみつ添そ添そそひひい扶たす扶たすたすけけけててておはしまさおはしまさおわしまさするするするににに、、、堤つつみ堤つつみつつみのののほどほどほどにてにてにて馬むま馬むまうまよりよりよりすべりすべりすべりおりおりおりててていみじくいみじくいみじく御おん御おんおん心地ここち心地ここちここち惑まど惑まどまどひひいけれけれければばば、、、
  30. 30「「「かゝるかゝるかかる路みち路みちみちののの空そら空そらそらにてにてにてはふれはふれほうれぬぬぬべきべきべきにににやややあらあらあらむむん。。。更さら更さらさらにににえええいきいきいき着つ着つつくくくまじきまじきまじき心地ここち心地ここちここちなむなむなんするするする」」」とととののの給のたま給のたまのたまふふうににに、、、惟光これみつ惟光これみつこれみつももも心地ここち心地ここちここち惑まど惑まどまどひひいててて、、、
  31. 31我わ我わわがががはかばかしくはかばかしくはかばかしくはははさささののの給のたま給のたまのたまふふうともともともかゝるかゝるかかる道みち道みちみちににに率ゐ率ゐいててて出い出いいででで奉たてまつ奉たてまつたてまつるるるべきべきべきかかかはははととと思おも思おもおもふふうににに、、、いといといと心こころ心こころこころあわたゞしけれあわたゞしけれあわただしければばば、、、かはかはかはののの水みづ水みづみずにてにてにて手て手ててををを洗あら洗あらあらひひいててて、、、淸水きよみづ淸水きよみづきよみずののの觀音くわんおん觀音くわんおんかんのんををを念ねん念ねんねんじじじ奉たてまつ奉たてまつたてまつりりりてててももも、、、すべすべすべなくなくなく思おも思おもおもひひい惑まど惑まどまどふふう。。。
  32. 32君きみ君きみきみももも强し强ししひひいててて御心みこころ御心みこころみこころををを起おこ起おこおこしししててて、、、心こころ心こころこころののの中うち中うちうちににに佛ほとけ佛ほとけほとけををを念ねん念ねんねんじじじ給たま給たまたまひひいててて、、、又また又またまたとかくとかくとかく助たす助たすたすけけけられられられ給たま給たまたまひひいてててなむなむなん二條院にでうのゐん二條院にでうのゐんにじょうのいんへへへ歸かへ歸かへかえりりり給たま給たまたまひひいけるけるける。。。
  33. 33怪あや怪あやあやしうしうしゅう夜よ夜よよ深ふか深ふかふかききき御おん御おんおんありきありきありきををを人々びと人々びとびと「「「見み見みみ苦ぐる苦ぐるぐるしきしきしきわざわざわざかなかなかな。。。このこのこのごろごろごろ例れい例れいれいよりよりよりもももしづしづしず心ごころ心ごころごころなきなきなき御おん御おんおんしのびありきしのびありきしのびありきのののうちうちうちしきるしきるしきるなかなかなかにににももも、、、昨日きのふ昨日きのふきのうののの御おん御おんおん氣色けしき氣色けしきけしきのののいといといと惱なや惱なやなやましうましうましゅう覺おぼ覺おぼおぼしししたりたりたりしししにににはははいかでいかでいかでかくかくかくたどりたどりたどりありきありきありき給たま給たまたまふふうらむらむらん」」」ととと歎なげ歎なげなげきききあへあへあえりりり。。。

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

日が暮れてから惟光が参上した。こうした穢れがあるとおっしゃって、参上する人々もみな立ったままで退出するので、人が多くないところに惟光を呼び寄せて、「どうだった。もう最期と見届けたか」とおっしゃるやいなや、袖をお顔に押し当ててお泣きになる。惟光も泣く泣く、「もう、これが最期でいらっしゃるようです。長々と籠っておりますのも不都合ですので、明日は日がよろしゅうございますから、葬送のことは、たいそう尊い老僧で知り合いの者に、話をつけておきました」と申し上げる。

源氏が「付き添っていた女はどうしている」とおっしゃると、惟光は「その者がまた、生きていられそうにもないようでございます。自分も後れまいと取り乱しまして、今朝は谷にも落ち入ってしまいそうに見えました。あの五条の家の者に知らせようと申しますが、しばらく気を静めよ、事の次第を考えてからにせよと、なだめておきました」とお話し申し上げるにつけても、源氏はたいそう悲しいとお思いになって、「私もひどく気分が悪くて、どうなるのだろうかと思われる」とおっしゃる。

惟光は「どうして今さら、そんなにお思い悩みなさるのですか。すべてはそうなる運命なのでございましょう。人にも漏らすまいと存じますので、惟光が自ら立ち働いて、何もかも取り計らいます」などと申し上げる。源氏は「そうだ、すべてそう思おうとはするけれど、浮ついた心の慰みごとから、人を死なせてしまったという非難を負うことになりそうなのが、たいそうつらいのだ。少将の命婦などにも聞かせるな。尼君は、なおさらこうしたことをいさめなさるから、合わせる顔がないだろう」と口止めをなさる。

惟光が「ほかの法師たちなどにも、みな事情は別のことに言いつくろってございます」と申し上げるので、源氏はそれを頼りにしていらっしゃる。ほのかに聞いた女房たちは、不思議に、何事だろう、穢れのことをおっしゃって宮中にも参内なさらず、またこうしてひそひそと嘆いていらっしゃる、とぼんやりと不審がる。

源氏は「決して手落ちのないようにせよ」と、その時の葬送の作法をおっしゃるが、惟光は「何も大げさにすることはございません」と言って立つのが、源氏はたいそう悲しく思われなさるので、不都合だと思うにちがいないが、「もう一度、あの亡骸を見ないのは、ひどく心が晴れないだろうから、馬で出かけよう」とおっしゃるのを、惟光はたいそうとんでもないこととは思うが、「そうお思いになるのでしたら、しかたがありません。早くおいでになって、夜が更けないうちにお帰りください」と申し上げるので、このごろの忍び歩きのために用意なさった狩衣の装束に着替えなどしてお出かけになる。

お心は真っ暗になって、たいそう耐えがたいので、こうした奇妙な道に出かけても、昨夜の危なかったことに懲りて、どうしようかとお悩みになるけれど、やはり悲しさは晴らしようもなく、今この亡骸を見なければ、またいつの世に、生前の姿を見ることができようかと、こらえて、いつもの大夫(惟光)と随身を連れてお出かけになる。道がたいそう遠く思われる。

十七日の月が出て、鴨の河原のあたりで、先払いの松明もほのかな中に、鳥辺野の方などを見やったときなど、気味の悪いことも何とも思われなさらない。心が乱れる気持ちで、目的の家にお着きになった。

あたりまでもぞっとするようなところに、板屋のそばに堂を建てて勤行している尼の住まいは、たいそうものさびしい。灯明の光がほのかに透けて見える。その家では、女一人が泣く声だけがして、外の方では、法師たちが二、三人、話をしながら、声を立てない念仏を特別にしている。寺々の初夜の勤行もみな終わって、たいそうひっそりとしている。清水寺の方だけは灯が多く見えて、人の気配も多かった。

この尼君の子である大徳が、尊い声で経を読んでいるのに、源氏は涙もすっかり尽きるほどお感じになる。中にお入りになると、灯火を向こうに向けて、右近は屏風を隔てて臥している。どんなにつらいことだろうと、ご覧になる。亡骸は恐ろしい様子も感じられず、たいそうかわいらしい様子をして、まだ少しも変わったところがない。

手を取って、「私に、もう一度だけでも声を聞かせてください。どういう前世の縁だったのだろう。わずかの間に心を尽くして、いとしく思ったのに、私を捨てて途方にくれさせなさるのがひどいことだ」と、声も惜しまずにお泣きになることは、限りがない。大徳たちも、誰とは知らないが、不思議に思って、みな涙を落とした。

源氏は右近に、「さあ、二条院へ」とおっしゃるが、右近は「長年、幼いころからかたときもお側を離れ申し上げず、慣れ親しんでまいりました方に、急にお別れ申し上げて、どこに帰ってよいのでしょう。どうおなりになったと、人に言えばよいのでしょう。悲しいことはもちろんですが、人にとやかく言い騒がれますのがつらいことで」と言って泣きまどって、「火葬の煙といっしょに、お慕いして参りたいものです」と言う。

源氏は「もっともだが、世の中とはそういうものなのだ。別れというもので、悲しくないものはない。先立つのも後に残るのも、同じく限りある命なのだ。気持ちを慰めて、私を頼りにしなさい」とおっしゃってなだめても、「こう言う私自身こそ、生きながらえられそうにない気がする」とおっしゃるのも、頼りないことよ。惟光が「夜は明け方近くになったでしょう。早くお帰りください」と申し上げるので、何度も振り返ってばかりで、胸もふさがってお出になる。

道はたいそう露っぽいうえに、いっそう深い朝霧の中で、どこへともなく迷う気持ちがなさる。生前のまま臥していた様子や、互いに掛け交わしていらっしゃった、自分の紅の御衣が亡骸に着せられていたことなど、どういう前世の縁だったのだろうかと、道すがらお思いになる。

お馬にもしっかりとお乗りになれそうにないご様子なので、また惟光が付き添って助けてお連れ申し上げるが、鴨川の堤のあたりで、源氏は馬からすべり降りて、ひどくご気分が乱れたので、「こんな道の途中で、のたれ死にしてしまうのだろうか。とても行き着けそうにない気がする」とおっしゃるので、惟光も気が動転して、自分がしっかりしていれば、あのようにおっしゃっても、こんな道にお連れ出し申し上げるべきだっただろうかと思うと、たいそう心があわただしいので、鴨川の水で手を洗って、清水の観音にお祈り申し上げても、どうしようもなく思いまどう。

源氏も無理にお心を奮い立たせて、心の中で仏をお祈りなさって、またあれこれと助けられなさって、二条院へお帰りになった。不思議なほど夜更けのお出歩きを、女房たちは「見苦しいことですこと。このごろはいつもより落ち着かないお忍び歩きがしきりに続く中でも、昨日のご様子がたいそうお苦しそうでいらっしゃったのに、どうしてこうして出歩きなさるのでしょう」と嘆き合っている。

意訳

源氏はもう一度夕顔の亡骸を見ずにはいられず、危険を承知で夜の東山へ向かう。鳥辺野を見やりながら進む道は、まさに野辺送りの道である。

尼の家の堂で、源氏は亡骸の手を取り、「もう一度だけでも声を聞かせてください」と泣く。亡骸は生前と変わらず、かわいらしいままである。右近は、幼いころから仕えた主人を失い、「煙とともに後を追いたい」と嘆く。

帰り道、源氏は鴨川の堤で馬からすべり落ち、ここで死ぬのではないかと思うほど弱る。惟光は、源氏を連れ出したことを悔やみ、清水の観音に祈る。若い源氏の悲しみと、それを支える惟光の忠実さが描かれている。

語釈・文法注

さほふ
作法(さほう)。ここでは葬送の作法。
鳥部野
鳥辺野(とりべの)。京の東山のふもとにあった葬送の地。火葬の煙が立つ場所として、和歌にもよく詠まれた。
そや
初夜(そや)。夜を六つに分けて行う勤行のうち、宵(午後八時ごろ)の勤行。
だいとこ
大徳(だいとこ)。徳の高い僧。僧を敬っていう言葉。

文法

強意+推量の「なむ」(慕ひ參りなむ)
完了の助動詞「ぬ」の未然形+推量・意志の「む」。「きっとお慕いして参りましょう」。
反語の「かは」(率て出で奉るべきかは)
「…してよいものだろうか、いや、よくない」。惟光の後悔を表す。
使役の「す」(おはしまさする)
「おはします」に使役の助動詞「す」の連体形がついて、「お連れ申し上げる」。

解説

源氏が夜の東山へ向かう道は、鳥辺野の近くを通る。鳥辺野は京の葬送の地で、火葬の煙が立つ場所として知られた。右近の「煙にたぐひて慕ひ參りなむ」という言葉も、鳥辺野での火葬を前提にしている。

源氏の紅の衣が夕顔の亡骸に着せられていたことは、二人が互いの衣を掛けて共寝した名残である。逢瀬の名残がそのまま死装束となったことに、源氏は深い宿縁を感じている。

鴨川の堤で馬からすべり落ちる源氏の姿は、それまでの理想的な貴公子の姿とは大きく異なる。十七歳の源氏の、人間らしい弱さが描かれた場面である。

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出典

底本
丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』物語部1(源氏物語 上) 板倉屋書房、明治36年(1903)、75–80頁(コマ39–41)。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日