古典ライブラリー

竹取物語 第4章

蓬萊の玉の枝(一)

車持皇子は筑紫へ湯治に行くと偽って都を離れ、ひそかに戻って匠たちに玉の枝を作らせる。それを持って船旅から帰ったように装い、かぐや姫の家を訪れる。翁は結婚の準備を始め、皇子は蓬萊山にたどり着くまでの苦難の旅を作り話で語る。

  1. 1車くら車くらくら持もち持もちもちのののみこみこみこははは心こころ心こころこころたばかりたばかりたばかりあるあるある人ひと人ひとひとにににててて、、、おほやけおほやけおおやけにににははは、、、筑つく筑つくつく紫し紫ししののの國くに國くにくにににに湯ゆ湯ゆゆあみあみあみににに罷まか罷まかまからららむむんとてとてとて、、、暇いとま暇いとまいとま申まう申まうもうしししててて、、、かぐやかぐやかぐや姫ひめ姫ひめひめののの家いへ家いへいえにににははは、、、玉たま玉たまたまののの枝え枝ええとりとりとりににになむなむなんまかるまかるまかるととといはいはいわせせせててて下くだ下くだくだりりり給たま給たまたまふふうににに、、、仕つか仕つかつこうううまつるまつるまつるべきべきべき人ひと人ひとひと々びと々びとびと、、、皆みな皆みなみな難な難なな波には波にはにわまでまでまでおくりおくりおくりしししけりけりけり。。。皇み皇みみ子こ子ここいといといと忍しの忍しのしのびびびてててとととのたまはのたまはのたまわせせせててて、、、人ひと人ひとひとももも數あま數あまあま多た多たたゐゐいててておはしまさおはしまさおわしまさずずず。。。近ちか近ちかちこうううつかうつかうつこう限かぎ限かぎかぎりりりしししててて出い出いいででで給たま給たまたまひひいぬぬぬ。。。みおくりみおくりみおくりののの人ひと人ひとひと々びと々びとびと、、、見み見みみまつりまつりまつり送おく送おくおくりりりててて歸かへ歸かへかえりりりぬぬぬ。。。おはしましおはしましおわしましぬぬぬととと人ひと人ひとひとにににははは見み見みみえええ給たま給たまたまひひいててて、、、三み三みみ日か日かか許ばかり許ばかりばかりありありありててて漕こ漕ここぎぎぎ歸かへ歸かへかえりりり給たま給たまたまひひいぬぬぬ。。。
  2. 2かねてかねてかねて事こと事ことこと皆みな皆みなみな仰おほ仰おほおおせせせたりたりたりけれけれければばば、、、そのそのその時とき時ときとき一いち一いちいちのののたくみたくみたくみなりなりなりけるけるける内うち内うちうち匠たくみ匠たくみたくみ六ろく六ろくろく人にん人にんにんををを召め召めめしししとりとりとりててて、、、たはたはたわやすくやすくやすく人ひと人ひとひとよりよりよりくくくまじきまじきまじき家いへ家いへいえをををつくりつくりつくりててて、、、構かま構かまかまへへえををを三み三みみ重へ重へへにににしこめしこめしこめててて、、、たくみたくみたくみ等ら等ららををを入い入いいれれれ給たま給たまたまひひいててて、、、皇み皇みみ子こ子ここももも同おな同おなおなじじじ所ところ所ところところにににこもりこもりこもり給たま給たまたまひひいててて、、、しらしらしらせせせ給たま給たまたまひひいつるつるつるかぎりかぎりかぎり十じふ十じふじゅう六ろく六ろくろくをををかみかみかみにににくどくどくどをををあけあけあけててて、、、玉たま玉たまたまののの枝え枝ええをををつくりつくりつくり給たま給たまたまふふう。。。かぐやかぐやかぐや姫ひめ姫ひめひめのののたまふたまふたまうやうやうようににに、、、違たが違たがたがははわずずずつくりつくりつくり出い出いいでででつつつ。。。いといといと畏かしこ畏かしこかしこくくくたばかりたばかりたばかりててて、、、難な難なな波には波にはにわにににみそかみそかみそかにににもてもてもて出い出いいでででぬぬぬ。。。
  3. 3船ふね船ふねふねににに乘の乘ののりりりててて歸かへ歸かへかえりりり來き來ききにににけりけりけりととと殿との殿とのとのににに告つ告つつげげげやりやりやりててて、、、いといといといたくいたくいたく苦くる苦くるくるしししげげげなるなるなるさまさまさましししててて居ゐ居ゐい給たま給たまたまへへえりりり。。。迎むか迎むかむかへへえににに人ひと人ひとひと多おほ多おほおおくくく參まゐ參まゐまいりりりたりたりたり。。。玉たま玉たまたまののの枝え枝ええをををばばば長なが長ながなが櫃びつ櫃びつびつににに入い入いいれれれててて、、、物もの物ものものおほひおほひおおいてててもちもちもちててて參まゐ參まゐまいるるる。。。いつかいつかいつか聞き聞きききききけむけむけん、、、「「「車くら車くらくら持もち持もちもちのののみこみこみこははは優う優うう曇どん曇どんどんののの花はな花はなはな持も持ももちちちてててのぼりのぼりのぼり給たま給たまたまへへえりりり」」」とととのゝしりのゝしりののしりけりけりけり。。。これこれこれをををかぐやかぐやかぐや姫ひめ姫ひめひめ聞き聞きききききててて、、、我われ我われわれはははこのこのこの皇み皇みみ子こ子ここにににまけまけまけぬぬぬべしべしべしととと胸むね胸むねむねつぶれつぶれつぶれててて思おも思おもおもひひいけりけりけり。。。
  4. 4かゝるかゝるかかるほどほどほどににに門かど門かどかどををを叩たた叩たたたたきききててて、、、車くら車くらくら持もち持もちもちのののみこみこみこおはしおはしおわしたりたりたりととと告つ告つつぐぐぐ。。。旅たび旅たびたびののの御おほん御おほんおん姿すがた姿すがたすがたながらながらながらおはしましおはしましおわしましたりたりたりととといへいへいえばばば、、、逢あ逢ああひひい奉たてまつ奉たてまつたてまつるるる。。。みこみこみこのたまはくのたまはくのたまわく「「「命いのち命いのちいのちををを捨す捨すすてゝてゝててかのかのかの玉たま玉たまたまののの枝え枝ええ持も持ももちちちてててきたりきたりきたりとてとてとて、、、かぐやかぐやかぐや姫ひめ姫ひめひめににに見み見みみせせせ奉たてまつ奉たてまつたてまつりりり給たま給たまたまへへえ」」」ととといへいへいえばばば、、、翁おきな翁おきなおきなもちもちもちててて入い入いいりりりたりたりたり。。。このこのこの玉たま玉たまたまののの枝え枝ええににに文ふみ文ふみふみをををぞぞぞつけつけつけたりたりたりけるけるける。。。
  5. 5「「「いたづらいたづらいたずらににに身み身みみはははなしなしなしつつつともともとも玉たま玉たまたまののの枝え枝ええををを手た手たたをらをらおらでででさらにさらにさらに歸かへ歸かへかえらららざらざらざらましましまし」」」。。。
  6. 6これこれこれをををもももあはれあはれあわれととと見み見みみててて居を居をおるるるににに、、、竹たけ竹たけたけ取とり取とりとりののの翁おきな翁おきなおきな走はし走はしはしりりり入い入いいりりりててていはくいはくいわく「「「このこのこのみこみこみこににに申まう申まうもうししし給たま給たまたまひひいししし蓬ほう蓬ほうほう萊らい萊らいらいののの玉たま玉たまたまののの枝え枝ええををを一ひと一ひとひとつつつののの所ところ所ところところもももあやしきあやしきあやしき處ところ處ところところなくなくなく、、、あやまたあやまたあやまたずずずもてもてもておはしませおはしませおわしませりりり。。。何なに何なになにをををもちもちもちてててかかかとかくとかくとかく申まう申まうもうすすすべきべきべきにににあらあらあらずずず。。。旅たび旅たびたびののの御おほん御おほんおん姿すがた姿すがたすがたながらながらながら、、、我わ我わわががが御お御おお家いへ家いへいえへへへももも寄よ寄よよりりり給たま給たまたまははわずずずしししててて坐おは坐おはおわしまししまししましたりたりたり。。。はやはやはやこのこのこのみこみこみこにににあひあひあいつかうつかうつこうまつりまつりまつり給たま給たまたまへへえ」」」ととといふいふいうににに、、、物もの物ものものもももいはいはいわずずずつらづゑつらづゑつらづえをををつきつきつきててて、、、いみじういみじういみじゅうなげかしなげかしなげかしげげげににに思おも思おもおもひひいたりたりたり。。。
  7. 7このこのこのみこみこみこ「「「今いま今いまいまさらさらさら何なに何なになにかかかととといふいふいうべからべからべからずずず」」」ととといふいふいうまゝまゝままににに、、、椽えん椽えんえんにににはひはひはいのぼりのぼりのぼり給たま給たまたまひひいぬぬぬ。。。翁おきな翁おきなおきなことわりことわりことわりにににおもふおもふおもう。。。「「「このこのこの國くに國くにくにににに見み見みみえええぬぬぬ玉たま玉たまたまののの枝え枝ええなりなりなり。。。このこのこの度たび度たびたびはははいかでいかでいかでかかかいなみいなみいなみまうさまうさもうさむむん。。。人ひと人ひとひとざまざまざまもももよきよきよき人ひと人ひとひとにににおはすおはすおわす」」」などなどなどいひいひいい居ゐ居ゐいたりたりたり。。。かぐやかぐやかぐや姫ひめ姫ひめひめのののいふいふいうやうやうよう「「「親おや親おやおやののののたまふのたまふのたまうことことことををを、、、ひたぶるひたぶるひたぶるにににいなみいなみいなみ申まう申まうもうさささむむんことことことのののいとほしさいとほしさいとおしさににに、、、得え得ええ難がた難がたがたききき物もの物ものものをををゆかしゆかしゆかしとととなむなむなんいひいひいいしししををを、、、かくかくかくあさましくあさましくあさましくもてもてもてくるくるくることことことねたくねたくねたく思おも思おもおもひひい」」」。。。翁おきな翁おきなおきなははは閨ねや閨ねやねやののの內うち內うちうちしつらひしつらひしつらいなどなどなどすすす。。。
  8. 8翁おきな翁おきなおきなみこみこみこににに申まう申まうもうすすすやうやうよう「「「いかなるいかなるいかなる所ところ所ところところにににかかかこのこのこの木き木ききははは候さぶら候さぶらさぶらひひいけむけむけん、、、怪あや怪あやあやしくしくしくうるはしくうるはしくうるわしくめでたきめでたきめでたきものものものにににももも」」」ととと申まう申まうもうすすす。。。みこみこみこ答こた答こたこたへへえてててののの給たま給たまたまはくはくわく「「「さきさきさきをとゝしをとゝしおととしのののきさらぎきさらぎきさらぎ十とを十とをとお日か日かかごろごろごろににに、、、難な難なな波には波にはにわよりよりより船ふね船ふねふねににに乘の乘ののりりりててて海うみ海うみうみ中なか中なかなかにににいでゝいでゝいでて、、、行ゆ行ゆゆかかかむむん方かた方かたかたももも知し知ししらららずずず覺おぼ覺おぼおぼえええしかしかしかどどど、、、思おも思おもおもふふうことことこと成な成なならららでででははは、、、世よ世よよののの中なか中なかなかににに生い生いいきききててて何なに何なになにかかかせせせむむんととと思おも思おもおもひひいしかしかしかばばば、、、たゞたゞただ空むな空むなむなしきしきしき風かぜ風かぜかぜににに任まか任まかまかせせせてててありくありくありく。。。命いのち命いのちいのち死し死ししなななばばばいかゞいかゞいかがはははせせせむむん、、、生い生いいきききてててあらあらあらむむん限かぎ限かぎかぎりりりはははかくかくかくありきありきありきててて、、、蓬ほう蓬ほうほう萊らい萊らいらいととといふいふいうらむらむらん山やま山やまやまににに逢あ逢ああふふうやややととと、、、浪なみ浪なみなみにににたゞよひたゞよひただよい漕こ漕ここぎぎぎありきありきありきててて、、、我わ我わわががが國くに國くにくにののの內うち內うちうちををを離はな離はなはなれれれてててありきありきありきめぐりめぐりめぐりしししににに、、、
  9. 9或ある或あるある時とき時ときときははは浪なみ浪なみなみ荒あ荒ああれれれつゝつゝつつ海うみ海うみうみののの底そこ底そこそこにににももも入い入いいりりりぬぬぬべくべくべく、、、或ある或あるある時とき時ときときははは風かぜ風かぜかぜにににつけつけつけててて知し知ししらららぬぬぬ國くに國くにくににににふきふきふき寄よ寄よよせせせられられられててて、、、鬼おに鬼おにおにのののやうやうようなるなるなるものものものいでいでいで來き來ききててて殺ころ殺ころころさささむむんとととしししききき。。。或ある或あるある時とき時ときときにににははは來こ來ここししし方かた方かたかたゆくゆくゆく末すゑ末すゑすえももも知し知ししらららずずず、、、海うみ海うみうみにににまぎれまぎれまぎれむむんとととしししききき。。。或ある或あるある時とき時ときときにににはははかてかてかて盡つ盡つつきききててて草くさ草くさくさののの根ね根ねねをををくひくひくい物もの物ものものとととしししききき。。。或ある或あるある時とき時ときときにににはははいはいはいわむむん方かた方かたかたなくなくなくむくつげむくつげむくつげなるなるなるものものもの來き來ききててて、、、食く食くくひひいかゝらかゝらかからむむんとととしししききき。。。或ある或あるある時とき時ときときにににははは海うみ海うみうみののの貝かひ貝かひかいをををとりとりとりててて命いのち命いのちいのちをををつぐつぐつぐ。。。旅たび旅たびたびののの空そら空そらそらににに助たす助たすたすくくくべきべきべき人ひと人ひとひともももなきなきなき所ところ所ところところににに、、、いろいろいろいろいろいろののの病やまひ病やまひやまいをををしししててて、、、ゆくへゆくへゆくえすらすらすらももも覺おぼ覺おぼおぼえええずずず、、、船ふね船ふねふねののの行ゆ行ゆゆくくくににに任まか任まかまかせせせててて、、、海うみ海うみうみににに漂ただよ漂ただよただよひひいててて、、、
  10. 10ととといふいふいう辰たつ辰たつたつののの時とき時ときときばかりばかりばかりににに、、、海うみ海うみうみののの中なか中なかなかににに遙はるか遙はるかはるかににに山やま山やまやま見み見みみゆゆゆ。。。舟ふね舟ふねふねのののうちうちうちをををなむなむなんせめせめせめててて見み見みみるるる。。。海うみ海うみうみののの上うへ上うへうえににに漂ただよ漂ただよただよへへえるるる山やま山やまやまいといといと大おほ大おほおおきききにににてててありありあり。。。そのそのその山やま山やまやまのののさまさまさま高たか高たかたかくくくうるはしうるはしうるわし。。。これこれこれややや我わ我わわががが求もと求もともとむるむるむる山やま山やまやまならならならむむんととと思おも思おもおもへへえどどど、、、さすがさすがさすがにににおそろしくおそろしくおそろしく覺おぼ覺おぼおぼえええててて山やま山やまやまのののめぐりめぐりめぐりをををさしさしさしめぐらしめぐらしめぐらしててて、、、二に二にに三さん三さんさん日にち日にちにちばかりばかりばかり見み見みみありくありくありくににに、、、天てん天てんてん人にん人にんにんのののよそひよそひよそいしししたるたるたる女をんな女をんなおんな、、、山やま山やまやまののの中なか中なかなかよりよりよりいでいでいで來き來ききててて、、、しろがねしろがねしろがねのののをををもてもてもて水みづ水みづみずををを汲く汲くくみみみありくありくありく。。。これこれこれををを見み見みみててて船ふね船ふねふねよりよりよりおりおりおりててて、、、このこのこの山やま山やまやまののの名な名ななををを何なに何なになにとととかかか申まう申まうもうすすすととと問と問ととふふうににに、、、女をんな女をんなおんな答こた答こたこたへへえててて曰いは曰いはいわくくく、、、これこれこれははは蓬ほう蓬ほうほう萊らい萊らいらいののの山やま山やまやまなりなりなりととと答こた答こたこたふふう。。。是これ是これこれををを聞き聞ききくくくににに嬉うれ嬉うれうれしきしきしきことことこと限かぎ限かぎかぎりりりなしなしなし。。。このこのこの女をんな女をんなおんなににに、、、かくかくかくのたまふのたまふのたまうははは誰たれ誰たれたれぞぞぞととと問と問ととふふう。。。我わ我わわががが名な名ななはははととといひいひいいててて、、、ふとふとふと山やま山やまやまののの中なか中なかなかににに入い入いいりりりぬぬぬ。。。
  11. 11そのそのその山やま山やまやまををを見み見みみるるるににに、、、更さら更さらさらににに登のぼ登のぼのぼるるるべきべきべきやうやうようなしなしなし。。。そのそのその山やま山やまやまのののそばつらそばつらそばつらをををめぐれめぐれめぐればばば、、、世よ世よよののの中なか中なかなかににになきなきなき花はな花はなはなののの木き木ききどもどもどもたてたてたてりりり。。。こがねこがねこがねしろがねしろがねしろがね瑠る瑠るる璃り璃りり色いろ色いろいろののの水みづ水みづみず流なが流ながながれれれいでいでいでたりたりたり。。。それそれそれにににはははいろいろいろいろいろいろののの玉たま玉たまたまののの橋はし橋はしはしわたせわたせわたせりりり。。。そのそのそのあたりあたりあたりににに照て照ててりりり輝かがや輝かがやかがやくくく木き木ききどもどもどもたてたてたてりりり。。。そのそのその中なか中なかなかにににこのこのこのとりとりとりててて持も持ももてててまうでまうでもうできききたりたりたりしししははは、、、いといといとわろかりわろかりわろかりしかしかしかどもどもども、、、のたまひのたまひのたまいしししににに違たが違たがたがははわましかましかましかばばばとてとてとて、、、このこのこの花はな花はなはなををを折を折をおりりりてててまうでまうでもうできききたるたるたるなりなりなり。。。山やま山やまやまははは限かぎ限かぎかぎりりりなくなくなくおもしろしおもしろしおもしろし。。。世よ世よよににに譬たと譬たとたとふふうべきべきべきにににあらあらあらざりざりざりしかしかしかどどど、、、このこのこの枝え枝ええををを折を折をおりりりてててしかしかしかばばば、、、さらにさらにさらに心こころ心こころこころもとなくもとなくもとなくててて、、、船ふね船ふねふねににに乘の乘ののりりりててて追おひ追おひおい風かぜ風かぜかぜふきふきふきててて、、、四し四しし百ひやく百ひやくひゃく餘よ餘よよ日にち日にちにちににになむなむなんまうでまうでもうで來き來ききにににししし。。。大だい大だいだい願ぐわん願ぐわんがんののの力ちから力ちからちからにににややや、、、難な難なな波には波にはにわよりよりより昨日きのふ昨日きのふきのうなむなむなん都みやこ都みやこみやこにににまうでまうでもうで來き來ききつるつるつる。。。さらにさらにさらに潮しほ潮しほしおにににぬれぬれぬれたるたるたる衣きぬ衣きぬきぬをををだにだにだに脫ぬ脫ぬぬぎぎぎかへかへかえなななでででなむなむなん、、、たちたちたちまうでまうでもうで來き來ききつるつるつる」」」とととのたまへのたまへのたまえばばば、、、
  12. 12翁おきな翁おきなおきな聞き聞きききききててて、、、うちうちうち歎なげ歎なげなげきききてててよめよめよめるるる、、、
  13. 13「「「吳くれ吳くれくれ竹たけ竹たけたけのののよゝよゝよよのののたけとりたけとりたけとり野の野のの山やま山やまやまにににもももさささやはやはやはわびしきわびしきわびしきふしふしふしをををのみのみのみ見み見みみししし」」」。。。
  14. 14これこれこれををを皇み皇みみ子こ子ここ聞き聞きききききててて「「「こゝらこゝらここらののの日ひ日ひひ頃ごろ頃ごろごろ思おも思おもおもひひいわびわびわび侍はべ侍はべはべりりりつるつるつる心こころ心こころこころははは、、、今日けふ今日けふきょうなむなむなんおちおちおちゐゐいぬるぬるぬる」」」とととのたまひのたまひのたまいててて、、、かへしかへしかへし、、、
  15. 15「「「わわわががが袂たもと袂たもとたもとけふけふきょう乾かわ乾かわかわけけけれれればばばわびしさわびしさわびしさのののちぐさちぐさちぐさのののかずかずかずもももわすらわすらわすられれれぬぬぬべしべしべし」」」とととのたまふのたまふのたまう。。。

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

車持の皇子は策略にたけた人で、朝廷には「筑紫の国へ湯治に参ります」と言って休暇を願い出て、かぐや姫の家には「玉の枝を取りに参ります」と言わせて都を下っていかれるので、お仕えする人々はみな難波まで見送った。皇子は「ごく内密に」とおっしゃって、供の者も大勢は連れていらっしゃらない。身近にお仕えする者だけを連れて出発なさった。見送りの人々は、お見送りして都へ帰った。皇子は、出発なさったと人には見せておいて、三日ほどたって船を漕ぎ戻らせなさった。

前もって何もかも命じておかれたので、当時第一の工匠であった内匠寮の工匠六人を呼び寄せて、たやすく人が寄って来られない家を造って、かまどを三重に囲いこめて、工匠たちを入れなさり、皇子も同じ所にこもりなさって、お治めになっている領地すべて、十六か所を合わせた財をつぎこんで、玉の枝をお作りになる。かぐや姫のおっしゃったとおりに、少しも違わず作り上げた。たいそううまくたくらんで、難波にこっそり持ち出した。

「船に乗って帰って来た」と自分の屋敷に知らせてやって、ひどく疲れ苦しそうな様子をして座っていらっしゃる。迎えに人が大勢参上した。玉の枝を長櫃に入れて、覆いをかけて持って参る。いつ聞いたのだろうか、「車持の皇子は優曇華の花を持って都へ上られた」と大騒ぎした。これをかぐや姫は聞いて、「私はこの皇子に負けてしまいそうだ」と胸がつぶれる思いをした。

そうしているうちに門をたたいて、「車持の皇子がいらっしゃいました」と告げる。「旅のお姿のままいらっしゃいました」と言うので、翁がお会いする。皇子がおっしゃるには、「命を捨てて、あの玉の枝を持ってきたと言って、かぐや姫にお見せしてください」と言うので、翁が持って入った。この玉の枝に手紙がつけてあった。

「たとえこの身をむなしく滅ぼしてしまっても、玉の枝を手に折り取らないでは、けっして帰ってはこなかったでしょう」

この歌をも感心して見ていると、竹取の翁が走りこんで言うには、「この皇子にお願いなさった蓬萊の玉の枝を、一つとしておかしな所もなく、注文どおりに持っていらっしゃった。何を理由にあれこれ申せましょう。旅のお姿のまま、ご自分のお屋敷へもお寄りにならずにいらっしゃったのです。早くこの皇子と結婚してお仕えなさい」と言うと、姫は何も言わずに頬杖をついて、ひどく嘆かわしそうに考えこんでいる。

この皇子は「今となっては、何かと言うべきではない」と言うやいなや、縁側に這い上りなさった。翁はもっともなことだと思う。「この国では見られない玉の枝だ。今度はどうして断り申し上げられようか。人柄もよい方でいらっしゃる」などと言っている。かぐや姫が言うには、「親のおっしゃることを、ひたすらお断りするのが気の毒なので、手に入れにくい物を見たいと言ったのに、このように意外にも持ってきたことが、くやしく思われて」。翁は寝所の中を整えたりする。

翁が皇子に申し上げる。「どのような所にこの木はあったのでしょうか。不思議なほどに美しく、すばらしいものですね」と申し上げる。皇子が答えておっしゃるには、「一昨年の二月十日ごろに、難波から船に乗って海の中に出て、行く方角もわからないように思われたけれど、望みがかなわなくてはこの世に生きていても何になろうと思ったので、ただ当てもなく風に任せて進んでいった。命が尽きてしまったらそれまでのこと、生きている限りはこうして進んで、蓬萊とかいう山に出会えるだろうかと、波に漂い漕ぎめぐって、わが国の内を離れて航海していったところ、

ある時は波が荒れて海の底にも沈んでしまいそうになり、ある時は風に吹かれて見知らぬ国に吹き寄せられて、鬼のような者が出てきて殺そうとした。ある時は、来た方角も行く先もわからなくなり、海で行方知れずになりかけた。ある時は食料が尽きて草の根を食べ物とした。ある時は言いようもなく気味の悪いものが来て、食いかかろうとした。ある時は海の貝を取って命をつないだ。旅の空で助けてくれる人もいない所で、さまざまな病気にかかって、行く先さえもわからず、船の進むにまかせて海を漂って、

五百日目という日の辰の刻(午前八時ごろ)ごろに、海の中に、はるかに山が見える。船の中から目をこらして見る。海の上に漂っている山は、たいそう大きい。その山の姿は高く美しい。これこそ自分が探し求める山だろうと思ったが、やはり恐ろしく思われて、山のまわりを漕ぎめぐらせて、二、三日ほど見て回っていると、天人の装いをした女が山の中から出てきて、銀の椀を持って水を汲んで歩いている。これを見て船から下りて、「この山の名を何と申しますか」と尋ねると、女は「これは蓬萊の山です」と答える。これを聞いて、うれしいことこの上ない。この女に「そうおっしゃるあなたはどなたですか」と尋ねる。女は「私の名はほうかんるり」と言って、すっと山の中に入ってしまった。

その山を見ると、まったく登れそうにない。その山の斜面のすそを回ってみると、この世にはない花の木々が立っている。金・銀・瑠璃色の水が山から流れ出ている。そこには色とりどりの玉でできた橋が渡してある。そのあたりに照り輝く木々が立っている。その中で、ここに取って持ってまいりましたのは、たいそう見劣りのするものでしたが、姫のおっしゃった物と違っていてはいけないと思い、この花の枝を折ってまいったのです。山はこの上なくすばらしい。この世のものにたとえようもありませんでしたが、この枝を折ってしまったので、いっそう気がせいて、船に乗って追い風が吹いて、四百余日で帰ってまいりました。大願の力でしょうか、難波から昨日都に帰ってまいりました。潮に濡れた衣さえ脱ぎかえないで、こちらへ参上したのです」とおっしゃるので、

翁はこれを聞いて、感嘆して詠んだ歌、

「代々竹を取ってきた私も、野山でこれほどつらい目(節)にばかりあったことがあったでしょうか」

これを皇子は聞いて、「長い間思い悩んでおりました心は、今日すっかり落ち着きました」とおっしゃって、返歌、

「涙に濡れた私の袂も今日は乾いたので、これまでの数々のつらさも、きっと忘れてしまうでしょう」とおっしゃる。

意訳

二人目の車持皇子は、石作皇子よりはるかに手のこんだ偽装をする。都を離れたふりをしてすぐに戻り、腕利きの工匠を閉じこめて本物そっくりの玉の枝を作らせ、長旅から戻ったばかりのように疲れた姿で現れる。さらに、嵐・鬼・飢え・病と次々に襲う苦難、そして天女に出会って蓬萊山にたどり着くまでの冒険を、見てきたかのように語ってみせる。翁はすっかり信じて寝所の支度を始め、かぐや姫は「負けてしまう」と追いつめられる。巧みな嘘が成功しかけるこの場面は、次章での破綻をいっそうおかしく、痛快にするための仕掛けになっている。

語釈・文法注

つかうつまる
底本の表記のまま。「つかうまつる(仕うまつる)」の誤りか。お仕えする。
十六そ
「十六所」。皇子の領地十六か所の意とするのが通説。「かみにくどをあけて」は本文に乱れがあるとされ、「竈(くど)を上に開けて」とする説などがある。
優曇華
仏典で、三千年に一度だけ花を開くとされる想像上の植物。きわめてまれなことのたとえ。
いほか
「五百日(いほか)」。五百日目。
かなまり
「金椀」。金属製の椀。
ほうかむるり
天女の名。「宝冠瑠璃(ほうかんるり)」などと解されるが未詳。

文法

「おはしましぬと人には見え給ひて」
出発なさったと人には見せかけておいて。皇子の偽装の始まり。
「歸らざらまし」
「まし」は反実仮想の助動詞。(手に入れなかったら)帰ってこなかっただろう。
「蓬萊といふらむ山」
「らむ」は伝聞・婉曲の助動詞。蓬萊とかいう山。
「違はましかば」
「ましかば」は反実仮想の仮定。(姫の言葉と)違っていたら(困る)。

和歌

いたづらに身はなしつとも玉の枝を手をらでさらに歸らざらまし

詠者
車持皇子
状況
偽の玉の枝に添えて、命がけで手に入れたかのように詠んだ歌。

吳竹のよゝのたけとり野山にもさやはわびしきふしをのみ見し

詠者
竹取の翁
状況
皇子の苦難の旅の話に心を打たれて詠んだ歌。

修辞

縁語・掛詞
「呉竹」「よ(節)」「ふし(節)」は竹の縁語。「よゝ」に「代々」と「節々」、「ふし」に「節」と「折節(つらい目)」をかける。

わが袂けふ乾ければわびしさのちぐさのかずもわすられぬべし

詠者
車持皇子
状況
翁の歌に答えて、苦労が報われたと詠んだ歌。

解説

車持皇子の玉の枝の話は、五つの難題の中でもっとも長く、物語の山場の一つである。皇子のモデルとされる藤原不比等は、律令国家の基礎を築いた有力政治家で、その人物を偽りと策略の人として描いているところに、作者の批判精神を読みとる説もある。

皇子の語る航海の苦難は「或時は〜」をくり返す対句的な文体で、緊迫した冒険談に仕立てられている。架空の旅をいかにも本当らしく語るこの部分は、物語の中に「作り話」が入れ子になっている点で興味深い。

「十六そをかみにくどをあけて」は古来難解な箇所で、諸本によって本文が異なる。当サイトの本文は底本の表記に従い、解釈は語注に一説を示した。

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出典

底本
丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』物語部三 雑上(竹取物語) 板倉屋書房、明治36年(1903)、5–8頁(コマ6–8)。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日