新古今和歌集 巻第二十 釈教歌 1930番
谷川の
谷川の流れが清く澄んだので、曇りのない月の光も浮かんだ。
場面イラスト(準備中)
- 1涅槃經涅槃經ねはんぎょうよみよみよみ侍侍はべりけるりけるりける時時とき、、、夢夢ゆめににに「「「ちるちるちる花花はなににに池池いけののの氷氷こおりもとけぬなりもとけぬなりもとけぬなり花花はなふきふきふき散散ちらすらすらす春春はるののの夜夜よののの空空そら」」」とかきてとかきてとかきて人人ひとののの見見みせせせ侍侍はべりければりければりければ、、、夢夢ゆめのののうちにうちにうちに返返かえしすとしすとしすと覺覺おぼえけるえけるえける歌歌うた詞書
- 2谷川谷川たにがわののの初句
- 3流流ながれしれしれし淸淸きよくくく二句
- 4澄澄すみぬればみぬればみぬれば三句
- 5くまなきくまなきくまなき月月つきののの四句
- 6影影かげももも浮浮うかびぬびぬびぬ結句
現代語訳
〔詞書〕涅槃経を読みました時、夢に「ちる花に池の氷もとけぬなり花ふき散らす春の夜の空」と書いて人が見せましたので、夢の中で返歌をしたと思われた歌。
谷川の流れが清く澄んだので、曇りのない月の光も浮かんだ。
意訳
谷川の流れが清らかに澄んだので、曇りない月の姿もそこに映ったことだ。
語釈・文法注
- くまなき月
- 仏性・真如をたとえる。
和歌
- 作者
- 肥後(ひご) 生没年未詳(十一世紀後半〜十二世紀初め)
藤原定成の娘。二条関白藤原教通家や、堀河天皇の中宮篤子内親王に仕えた女房。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第二十・釈教歌・1930番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「涅槃經よみ侍りける時、夢に「ちる花に池の氷もとけぬなり花ふき散らす春の夜の空」とかきて人の見せ侍りければ、夢のうちに返しすと覺えける歌」(涅槃経を読みました時、夢に「ちる花に池の氷もとけぬなり花ふき散らす春の夜の空」と書いて人が見せましたので、夢の中で返歌をしたと思われた歌)。
解説
肥後の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、357〜358頁(コマ188)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日