新古今和歌集 巻第十九 神祇歌 1854番
補陀落の
補陀落の南の岸に堂を建てて、今こそ栄えるだろう、北の藤波は。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
補陀落の南の岸に堂を建てて、今こそ栄えるだろう、北の藤波は。
〔左注〕この歌は、興福寺の南円堂を造り始めました時、春日の榎本の明神がお詠みになったということだ。
意訳
観音の浄土である補陀落の南の岸のように、この南円堂を建てた今こそ、北家藤原氏は藤の花房のように栄えるだろう。
語釈・文法注
- 補陀落
- 観音の住む山。南円堂の本尊が不空羂索観音であることによる。
- 北の藤浪
- 藤原北家。
和歌
- 作者
- 読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『新古今和歌集』では、『万葉集』の歌や古い歌集から採った歌、伝承の歌などが多い。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第十九・神祇歌・1854番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。
修辞
- 体言止め
- 体言止め。
解説
左注によると、興福寺の南円堂を造り始めた時、春日の榎本明神が詠んだ歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、341頁(コマ180)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日