古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第十九 神祇歌 1853番

情なく

読人しらず(よみびとしらず)

情けもなく折る人が恨めしい。わが宿の主を忘れない梅の高く伸びた枝を。

詞書
(なし)
作者
讀人しらず(読人しらず)
  1. 1情なさけ情なさけなさけなくなくなく初句
  2. 2折を折をおるるる人ひと人ひとひとつらしつらしつらし二句
  3. 3わがわがわが宿やど宿やどやどののの三句
  4. 4あるじあるじあるじ忘わす忘わすわすれぬれぬれぬ四句
  5. 5梅うめ梅うめうめののの立枝たちえ立枝たちえたちえををを結句
  6. 6此歌このうた此歌このうたこのうたははは建久二年けんきうにねん建久二年けんきうにねんけんきゅうにねんののの春はる春はるはるののの頃ころ頃ころころ、、、筑紫つくし筑紫つくしつくしへへへまかりけるもののまかりけるもののまかりけるものの安樂寺あんらくじ安樂寺あんらくじあんらくじののの梅うめ梅うめうめををを折を折をおりてりてりて侍はべ侍はべはべりけるりけるりける夜よ夜よよののの夢ゆめ夢ゆめゆめににに見み見みみえるけるとなむえるけるとなむえるけるとなむ左注

引用の仕方

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現代語訳

情けもなく折る人が恨めしい。わが宿の主を忘れない梅の高く伸びた枝を。

〔左注〕この歌は、建久二年の春の頃、筑紫へ下った者が安楽寺の梅を折りました夜の夢に現れたということだ。

意訳

思いやりもなく折り取っていく人が恨めしい。主人の私を忘れずに咲いている、この梅の立ち枝を。

語釈・文法注

あるじ忘れぬ梅
道真の「東風吹かばにほひおこせよ梅の花あるじなしとて春を忘るな」をふまえる。
立枝
高く伸びた枝。

和歌

作者
読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『新古今和歌集』では、『万葉集』の歌や古い歌集から採った歌、伝承の歌などが多い。
出典
『新古今和歌集』巻第十九・神祇歌・1853番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

修辞

二句切れ
二句切れ。
倒置
倒置。

解説

左注によると、安楽寺(太宰府天満宮)の梅を折った者の夢に現れた歌で、天神(菅原道真)の歌とされる。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、341頁(コマ180)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日