新古今和歌集 巻第十七 雑歌中 1630番
苔の庵
苔の庵を目指して来たけれど、あなたがいらっしゃらないので、帰る深山の道は露っぽい。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕深い山に住んでいた聖のもとに訪ねて行ったところ、庵の戸を閉ざして人もおりませんでしたので、帰るといって書きつけた歌。
苔の庵を目指して来たけれど、あなたがいらっしゃらないので、帰る深山の道は露っぽい。
意訳
苔むした庵を目指して来たけれど、あなたはお留守だった。帰っていく深山の道は、露と涙に濡れている。
語釈・文法注
- さして
- 「指して」と「鎖して」を響かせる。
和歌
- 作者
- 恵慶法師(えぎょうほうし) 生没年未詳(十世紀後半)
播磨の国分寺の講師を務めた僧。河原院の安法法師のもとに集まった歌人たちと交わった。中古三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第十七・雑歌中・1630番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「深き山に住み侍りける聖の許に尋ねまかりけるに、庵の戶を閉ぢて人も侍らざりければ、歸るとてかきつけゝる」(深い山に住んでいた聖のもとに訪ねて行ったところ、庵の戸を閉ざして人もおりませんでしたので、帰るといって書きつけた歌)。
解説
恵慶の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、299頁(コマ159)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日