新古今和歌集 巻第十七 雑歌中 1628番
世の中を
世の中を背こうとして来たけれども、やはりつらいことは多い大原の里だ。
場面イラスト(準備中)
- 1能宣朝臣能宣朝臣よしのぶのあそん、、、大原野大原野おおはらのにまうでてにまうでてにもうでて侍侍はべりけるにりけるにりけるに、、、山里山里やまざとのいとのいとのいと怪怪あやしきにしきにしきに、、、住住すむべくもあらぬさまなるむべくもあらぬさまなるむべくもあらぬさまなる人人ひとののの侍侍はべりければりければりければ、、、何處何處いずくわたりよりわたりよりたりより住住すむぞなどむぞなどむぞなど問問とひひい侍侍はべりければりければりければ詞書
- 2世世よののの中中なかををを初句
- 3背背そむきにとてきにとてきにとてははは二句
- 4來來こしかどもしかどもしかども三句
- 5猶猶なほうきほうきおうき事事ことははは四句
- 6おほはらのおほはらのおおはらの里里さと結句
現代語訳
〔詞書〕能宣朝臣が大原野に参詣しました時に、山里のひどくみすぼらしい所に、住めそうもない様子の人がおりましたので、どのあたりから住んでいるのかなどと尋ねましたので。
世の中を背こうとして来たけれども、やはりつらいことは多い大原の里だ。
意訳
世を捨てようと思ってここへ来たけれど、やはりつらいことは多い。大原の里という名のとおりに。
語釈・文法注
- おほはら
- 「多(おほ)」と「大原」を掛ける。
和歌
- 作者
- 読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『新古今和歌集』では、『万葉集』の歌や古い歌集から採った歌、伝承の歌などが多い。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第十七・雑歌中・1628番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「能宣朝臣、大原野にまうでて侍りけるに、山里のいと怪しきに、住むべくもあらぬさまなる人の侍りければ、何處わたりより住むぞなど問ひ侍りければ」(能宣朝臣が大原野に参詣しました時に、山里のひどくみすぼらしい所に、住めそうもない様子の人がおりましたので、どのあたりから住んでいるのかなどと尋ねましたので)。
修辞
- 掛詞
- 「おほ」に「多」と「大原」。
- 体言止め
- 体言止め。
解説
作者未詳。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、299頁(コマ159)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日