古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第十七 雑歌中 1616番

時しらぬ

在原業平(ありわらのなりひら)

時節を知らない山は富士の嶺だ。いつだと思って、鹿の子まだらに雪が降っているのだろう。

作者
業平朝臣(在原業平)
  1. 1五月さつき五月さつきさつきのつごもりにのつごもりにのつごもりに、、、富士ふじ富士ふじふじののの山やま山やまやまののの雪ゆき雪ゆきゆき白しろ白しろしろくくく降ふ降ふふれるれるれるををを見み見みみてよみてよみてよみ侍はべ侍はべはべりけるりけるりける詞書
  2. 2時とき時ときときしらぬしらぬしらぬ初句
  3. 3山やま山やまやまははは富士ふじ富士ふじふじのねのねのね二句
  4. 4いつとてかいつとてかいつとてか三句
  5. 5鹿か鹿かかののの子こ子ここ斑まだら斑まだらまだらににに四句
  6. 6雪ゆき雪ゆきゆきのののふるらむふるらむふるらむ結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕五月の末日に、富士の山の雪が白く降っているのを見て詠みました歌。

時節を知らない山は富士の嶺だ。いつだと思って、鹿の子まだらに雪が降っているのだろう。

意訳

季節をわきまえない山は富士山だ。今をいつだと思って、鹿の子まだらに雪が積もっているのだろう。

語釈・文法注

鹿の子まだら
鹿の背の白い斑点のような模様。

和歌

作者
在原業平(ありわらのなりひら) 825–880
平城天皇の皇子阿保親王の子。右近衛権中将などを務め、「在五中将」と呼ばれた。仮名序は「その心餘りて詞たらず」と評する。『伊勢物語』の主人公「昔男」のモデルとされる。六歌仙・三十六歌仙の一人。
出典
『新古今和歌集』巻第十七・雑歌中・1616番
歌体
短歌
状況
詞書「五月のつごもりに、富士の山の雪白く降れるを見てよみ侍りける」(五月の末日に、富士の山の雪が白く降っているのを見て詠みました歌)。

修辞

二句切れ
二句切れ。

解説

業平の歌。『伊勢物語』第九段の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、296〜297頁(コマ158)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日