古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第十七 雑歌中 1590番

蘆の屋の

在原業平(ありわらのなりひら)

蘆屋の灘の塩焼きの女は、暇がないので、黄楊の小櫛も挿さずに来てしまった。

詞書
「題しらず」(前の歌と同じ詞書)
作者
在原業平朝臣(在原業平)
  1. 1蘆あし蘆あしあしののの屋や屋ややののの初句
  2. 2灘なだ灘なだなだののの鹽しほ鹽しほしおやきやきやき二句
  3. 3暇いとま暇いとまいとまなみなみなみ三句
  4. 4つげのつげのつげの小櫛をぐし小櫛をぐしおぐしももも四句
  5. 5さゝずさゝずささず來き來ききにけりにけりにけり結句

引用の仕方

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現代語訳

蘆屋の灘の塩焼きの女は、暇がないので、黄楊の小櫛も挿さずに来てしまった。

意訳

蘆屋の灘で塩を焼く海女は、仕事に追われて暇がないので、黄楊の櫛も挿さずにやって来た。

語釈・文法注

蘆の屋
摂津国の地名。
いとまなみ
暇がないので。

和歌

作者
在原業平(ありわらのなりひら) 825–880
平城天皇の皇子阿保親王の子。右近衛権中将などを務め、「在五中将」と呼ばれた。仮名序は「その心餘りて詞たらず」と評する。『伊勢物語』の主人公「昔男」のモデルとされる。六歌仙・三十六歌仙の一人。
出典
『新古今和歌集』巻第十七・雑歌中・1590番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

解説

業平の歌。『伊勢物語』第八十七段の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、292頁(コマ156)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日