新古今和歌集 巻第十六 雑歌上 1490番
うちわたす
遠くにいる人に尋ねると、答えないことで、はっきりわかる花だなあ。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕五月ごろ、ある所へ行く道で、真っ白に梔子の花が咲いていたのを、これは何の花かと人が尋ねましたが、答えませんでしたので。
遠くにいる人に尋ねると、答えないことで、はっきりわかる花だなあ。
意訳
遠くの人に花の名を尋ねても答えてくれない。答えないことで、口無し(梔子)の花だとはっきりわかる。
語釈・文法注
- くちなし
- 「梔子」と「口無し」を響かせる。
和歌
- 作者
- 小弁(こべん) 生没年未詳(十一世紀)
越前守藤原懐尹の娘とされる。後朱雀天皇の皇女祐子内親王に仕えた女房歌人。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第十六・雑歌上・1490番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「五日ばかり、ものへまかりける道に、いと白くくちなしの花咲けりけるを、これは何の花ぞと人の問ひ侍りけれど、申さざりければ」(五月ごろ、ある所へ行く道で、真っ白に梔子の花が咲いていたのを、これは何の花かと人が尋ねましたが、答えませんでしたので)。
解説
小弁の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、272頁(コマ146)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日