古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第十六 雑歌上 1482番

己が浪に

慈円(じえん)

自分の浪に、同じ末葉がしおれてしまった。藤の咲く田子の浦よ、恨めしいわが身よ。

作者
前大僧正慈圓(慈円)
  1. 1五十首ごじつしゆ五十首ごじつしゆごじっしゅののの歌うた歌うたうた奉たてまつ奉たてまつたてまつりしりしりし時とき時ときとき詞書
  2. 2己おの己おのおのががが浪なみ浪なみなみににに初句
  3. 3同おな同おなおなじじじ末すゑ末すゑすえ葉ば葉ばばぞぞぞ二句
  4. 4萎しを萎しをしおれぬるれぬるれぬる三句
  5. 5藤ふぢ藤ふぢふじさくさくさく田子たご田子たごたごののの四句
  6. 6恨うら恨うらうらめしのめしのめしの身み身みみややや結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕五十首歌を献上した時の歌。

自分の浪に、同じ末葉がしおれてしまった。藤の咲く田子の浦よ、恨めしいわが身よ。

意訳

田子の浦の藤は、自分の打ち寄せる浪で同じ末葉をしおれさせている。わが一族の者に恨まれる、恨めしいわが身よ。

語釈・文法注

うら
「浦」と「恨め」を掛ける。

和歌

作者
慈円(じえん) 1155–1225
関白藤原忠通の子で、九条兼実の弟、良経の叔父。天台座主を四度務めた。歴史書『愚管抄』を著した。率直で多彩な歌風で、『新古今和歌集』に西行に次ぐ九十二首が入る。家集に『拾玉集』がある。
出典
『新古今和歌集』巻第十六・雑歌上・1482番
歌体
短歌
状況
詞書「五十首の歌奉りし時」(五十首歌を献上した時の歌)。

修辞

字余り
初句。
体言止め
体言止め。

解説

慈円の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、270頁(コマ145)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日