古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第十五 恋歌五 1374番

夏野ゆく

柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)

夏野を行く牡鹿の生えはじめの角のように、束の間も忘れずに思う、妻の心を。

詞書
「題しらず」(前の歌と同じ詞書)
作者
人麿(柿本人麻呂)
  1. 1夏野なつの夏野なつのなつのゆくゆくゆく初句
  2. 2ををおじかのじかのじかの角つの角つのつのののの二句
  3. 3束つか束つかつかののの間ま間ままももも三句
  4. 4忘わす忘わすわすれずれずれず思おも思おもおもふふう四句
  5. 5妹いも妹いもいもががが心こころ心こころこころををを結句

引用の仕方

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現代語訳

夏野を行く牡鹿の生えはじめの角のように、束の間も忘れずに思う、妻の心を。

意訳

夏野を行く牡鹿の短い角のように、ほんの束の間も、妻の心を忘れずに思っている。

語釈・文法注

和歌

作者
柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ) 生没年未詳(七世紀後半〜八世紀初め)
持統・文武天皇の時代の宮廷歌人。『万葉集』を代表する歌人で、長歌・短歌ともにすぐれ、のちに「歌聖」とあがめられた。平安時代には人麻呂の作と伝える歌が多く、新古今集にもその名で多くの歌が入る。三十六歌仙の一人。
出典
『新古今和歌集』巻第十五・恋歌五・1374番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

修辞

序詞
「夏野ゆくをじかの角の」が「束の間」を導く。

解説

人麿の歌とされる。もとは『万葉集』巻第四(502番)で、第四句は「忘れず思へ」。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、249頁(コマ134)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日