古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第十五 恋歌五 1338番

野邊の露は

慈円(じえん)

野辺の露は、色もなくこぼれたのだろうか。袖をかすめて過ぎる荻の上風よ。

詞書
「水無瀬の戀の十五首の歌合に」(前の歌と同じ詞書)
作者
前大僧正慈圓(慈円)
  1. 1野邊のべ野邊のべのべののの露つゆ露つゆつゆははは初句
  2. 2色いろ色いろいろもなくてやもなくてやもなくてや二句
  3. 3こぼれつるこぼれつるこぼれつる三句
  4. 4袖そで袖そでそでよりよりより過す過すすぐるぐるぐる四句
  5. 5荻をぎ荻をぎおぎののの上風うはかぜ上風うはかぜうわかぜ結句

引用の仕方

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現代語訳

野辺の露は、色もなくこぼれたのだろうか。袖をかすめて過ぎる荻の上風よ。

意訳

袖をかすめて荻の上風が吹き過ぎる。野辺の露は色もなくこぼれたが、私の袖の涙は紅に染まっている。

語釈・文法注

和歌

作者
慈円(じえん) 1155–1225
関白藤原忠通の子で、九条兼実の弟、良経の叔父。天台座主を四度務めた。歴史書『愚管抄』を著した。率直で多彩な歌風で、『新古今和歌集』に西行に次ぐ九十二首が入る。家集に『拾玉集』がある。
出典
『新古今和歌集』巻第十五・恋歌五・1338番
歌体
短歌
状況
詞書「水無瀬の戀の十五首の歌合に」(水無瀬の恋の十五首歌合で)。

修辞

字余り
初句。
三句切れ
三句切れ。
体言止め
体言止め。

解説

慈円の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、244頁(コマ132)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日