古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第十二 恋歌二 1133番

なき名のみ

藤原俊忠(ふじわらのとしただ)

ありもしない噂ばかり立って、竜田の山に立つ雲のように、行方も知れないもの思いをすることだ。

作者
權中納言俊忠(藤原俊忠)
  1. 1名立戀なのたつこひ名立戀なのたつこひなのたつこいといふといふという心こころ心こころこころをををよみよみよみ侍はべ侍はべはべりけるりけるりける詞書
  2. 2なきなきなき名な名ななのみのみのみ初句
  3. 3立田たつた立田たつたたつたののの山やま山やまやまににに二句
  4. 4立た立たたつつつ雲くも雲くもくもののの三句
  5. 5行方ゆくへ行方ゆくへゆくえももも知し知ししらぬらぬらぬ四句
  6. 6眺なが眺ながながめめめをぞするをぞするをぞする結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕「名立恋(名の立つ恋)」という題を詠みました歌。

ありもしない噂ばかり立って、竜田の山に立つ雲のように、行方も知れないもの思いをすることだ。

意訳

ありもしない噂ばかりが立っている。竜田山に立つ雲の行方がわからないように、私の恋の行く末もわからず、もの思いに沈んでいる。

語釈・文法注

たつ
噂が「立つ」と「竜田」を掛ける。

和歌

作者
藤原俊忠(ふじわらのとしただ) 1073–1123
藤原忠家の子で、俊成の父、定家の祖父。権中納言に至った。
出典
『新古今和歌集』巻第十二・恋歌二・1133番
歌体
短歌
状況
詞書「名立戀といふ心をよみ侍りける」(「名立恋(名の立つ恋)」という題を詠みました歌)。

修辞

掛詞
「たつ」に「立つ」と「竜田」。

解説

俊忠の歌。

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出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、206頁(コマ113)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日