新古今和歌集 巻第十二 恋歌二 1116番
藻鹽やく
藻塩を焼く海人の磯屋の夕煙のように、浮き名が立つのも苦しい。思いの火が絶えないで。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕「夕恋」という題を詠みました歌。
藻塩を焼く海人の磯屋の夕煙のように、浮き名が立つのも苦しい。思いの火が絶えないで。
意訳
藻塩を焼く海人の磯小屋から立つ夕煙のように、噂が立つのも苦しい。恋の思いの火が消えないままで。
語釈・文法注
- 立つ名
- 立つ噂。
- 思ひ
- 「火」を掛ける。
和歌
- 作者
- 藤原秀能(ふじわらのひでよし) 1184–1240
後鳥羽院の北面・西面の武士。和歌所の寄人として院に重んじられた。承久の乱で院方として戦い、のち出家して如願と号した。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第十二・恋歌二・1116番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「夕戀といふ事をよみ侍りける」(「夕恋」という題を詠みました歌)。
修辞
- 序詞
- 「藻鹽やくあまの磯屋の夕煙」が「立つ」を導く。
- 掛詞
- 「ひ」に「思ひ」と「火」。
解説
秀能の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、203頁(コマ111)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日