古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第十一 恋歌一 1060番

淚川

藤原元真(ふじわらのもとざね)

涙の川は、身も浮くほどに流れるけれど、消えないのは人を思う思いの火なのだった。

詞書
「題しらず」(前の歌と同じ詞書)
作者
藤原元眞(藤原元真)
  1. 1淚川なみだがは淚川なみだがはなみだがわ初句
  2. 2身み身みみもももうくばかりうくばかりうくばかり二句
  3. 3流なが流ながながるれどるれどるれど三句
  4. 4消き消ききえぬはえぬはえぬは人ひと人ひとひとののの四句
  5. 5思おも思おもおもひなりけりひなりけりいなりけり結句

引用の仕方

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現代語訳

涙の川は、身も浮くほどに流れるけれど、消えないのは人を思う思いの火なのだった。

意訳

涙の川は身が浮くほど流れるのに、それでも消えないのは、あの人を思う恋の火なのだった。

語釈・文法注

うく
「浮く」と「憂く」を掛ける。
思ひ
「火」を掛ける。

和歌

作者
藤原元真(ふじわらのもとざね) 生没年未詳(十世紀)
藤原清邦の子。甲斐守などを務めた。屏風歌や歌合で活躍した。三十六歌仙の一人。
出典
『新古今和歌集』巻第十一・恋歌一・1060番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

修辞

掛詞
「うく」に「浮く」と「憂く」、「ひ」に「思ひ」と「火」。

解説

元真の歌。

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出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、193頁(コマ106)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日