古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第十一 恋歌一 1045番

時鳥

藤原道長(ふじわらのみちなが)

時鳥の声は聞くけれど、花の枝にまだ踏み慣れないように、まだ文を交わし慣れないことを思い悩んでいる。

作者
法性寺入道前攝政太政大臣(藤原道長)
  1. 1兵衛佐ひやうゑのすけ兵衛佐ひやうゑのすけひょうえのすけににに侍はべ侍はべはべりけるりけるりける時とき時ときとき、、、五月さつき五月さつきさつきばかりによそながらばかりによそながらばかりによそながら物もの物ものもの申まう申まうもうしそめてつかはしけるしそめてつかはしけるしそめてつかわしける詞書
  2. 2時鳥ほととぎす時鳥ほととぎすほととぎす初句
  3. 3聲こゑ聲こゑこえをばをばをば聞き聞ききけどけどけど二句
  4. 4花はな花はなはなののの枝え枝ええににに三句
  5. 5まだふみまだふみまだふみ馴な馴ななれぬれぬれぬ四句
  6. 6物もの物ものものをををこそこそこそ思おも思おもおもへへえ結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕兵衛佐でした時、五月ごろに、離れたところから言葉をかけはじめて贈った歌。

時鳥の声は聞くけれど、花の枝にまだ踏み慣れないように、まだ文を交わし慣れないことを思い悩んでいる。

意訳

時鳥の声は聞いても、その鳥がまだ花の枝に止まり慣れないように、私はまだあなたと文を交わし慣れず、もの思いをしている。

語釈・文法注

ふみ
「踏み」と「文」を掛ける。

和歌

作者
藤原道長(ふじわらのみちなが) 966–1027
藤原兼家の子。娘たちを后に立てて摂政・太政大臣となり、摂関政治の全盛を築いた。法成寺を建て、法成寺入道と呼ばれた。
出典
『新古今和歌集』巻第十一・恋歌一・1045番
歌体
短歌
状況
詞書「兵衛佐に侍りける時、五月ばかりによそながら物申しそめてつかはしける」(兵衛佐でした時、五月ごろに、離れたところから言葉をかけはじめて贈った歌)。

修辞

掛詞
「ふみ」に「踏み」と「文」。

解説

道長の歌。底本は作者名を「法性寺入道前攝政太政大臣」と刷るが、「法成寺入道前摂政太政大臣」(藤原道長)の歌とされる。

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出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、190〜191頁(コマ105)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日