新古今和歌集 巻第十一 恋歌一 1042番
ぬまごとに
沼ごとに袖が濡れたことだ。菖蒲草の、わが心に似た根を探し求めるといって。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕薬玉を女に贈るといって、男に代わって詠んだ歌。
沼ごとに袖が濡れたことだ。菖蒲草の、わが心に似た根を探し求めるといって。
意訳
沼という沼を訪ねて、袖が濡れてしまった。私の心の深さに似た、長い菖蒲の根を探し求めようとして。
語釈・文法注
- 薬玉
- 菖蒲や蓬などを玉にして五色の糸を垂らしたもの。端午の節句に用いた。
- ね
- 「根」と「音(泣く声)」を掛ける。
和歌
- 作者
- 三条院女蔵人左近(さんじょういんのにょくろうどさこん) 生没年未詳(十一世紀初め)
三条天皇に仕えた女蔵人。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第十一・恋歌一・1042番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「藥玉を女につかはすとて、男にかはりて」(薬玉を女に贈るといって、男に代わって詠んだ歌)。
修辞
- 二句切れ
- 二句切れ。
- 倒置
- 倒置。
- 掛詞
- 「ね」に「根」と「音」。
解説
三条院女蔵人左近の歌。底本は第二句を「袖ぞ濡れける」とするが、「袖ぞぬれぬる」とする本もある。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、190頁(コマ105)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日