古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第十一 恋歌一 1030番

わが戀は

慈円(じえん)

わが恋は、松を時雨が染めかねるように、真葛が原に風が騒いでいる。

作者
前大僧正慈圓(慈円)
  1. 1百首ひやくしゆ百首ひやくしゆひゃくしゅののの歌うた歌うたうた奉たてまつ奉たてまつたてまつりしりしりし時とき時ときときよめるよめるよめる詞書
  2. 2わがわがわが戀こひ戀こひこいははは初句
  3. 3松まつ松まつまつをををしぐれのしぐれのしぐれの二句
  4. 4染そ染そそめかねてめかねてめかねて三句
  5. 5まくずがまくずがまくずが原はら原はらはらににに四句
  6. 6風かぜ風かぜかぜさわぐなりさわぐなりさわぐなり結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕百首歌を献上した時に詠んだ歌。

わが恋は、松を時雨が染めかねるように、真葛が原に風が騒いでいる。

意訳

私の恋は、時雨が常緑の松を染めることができないように、相手の心を動かせない。真葛が原に風が騒ぐように、私の心ばかりが恨みに騒いでいる。

語釈・文法注

真葛が原
葛の茂った原。葛の葉は風に裏返るので「恨み」を連想させる。

和歌

作者
慈円(じえん) 1155–1225
関白藤原忠通の子で、九条兼実の弟、良経の叔父。天台座主を四度務めた。歴史書『愚管抄』を著した。率直で多彩な歌風で、『新古今和歌集』に西行に次ぐ九十二首が入る。家集に『拾玉集』がある。
出典
『新古今和歌集』巻第十一・恋歌一・1030番
歌体
短歌
状況
詞書「百首の歌奉りし時よめる」(百首歌を献上した時に詠んだ歌)。

解説

慈円の歌。

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出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、188頁(コマ104)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日