古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第十一 恋歌一 1021番

水の上に

藤原伊尹(ふじわらのこれただ)

水の上に浮かんでいる鳥の跡もないように、心もとなさを思うこのごろだ。

作者
謙德公(藤原伊尹)
  1. 1たび〳〵たび〳〵たびたび返事かへりごと返事かへりごとかえりごとせぬせぬせぬ女をんな女をんなおんなににに詞書
  2. 2水みづ水みづみずののの上うへ上うへうえににに初句
  3. 3うきたるうきたるうきたる鳥とり鳥とりとりののの二句
  4. 4跡あと跡あとあともなくもなくもなく三句
  5. 5覺東おぼつか覺東おぼつかおぼつかなさなさなさををを四句
  6. 6思おも思おもおもふふう頃ころ頃ころころかなかなかな結句

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

〔詞書〕たびたび返事をくれない女に。

水の上に浮かんでいる鳥の跡もないように、心もとなさを思うこのごろだ。

意訳

水の上に浮かぶ鳥が跡を残さないように、あなたからは何の返事もない。心もとない思いでいるこのごろだ。

語釈・文法注

おぼつかなさ
心もとなさ。

和歌

作者
藤原伊尹(ふじわらのこれただ) 924–972
藤原師輔の子。摂政・太政大臣に至った。諡は謙徳公。和歌所の別当として『後撰和歌集』の撰集に関わった。
出典
『新古今和歌集』巻第十一・恋歌一・1021番
歌体
短歌
状況
詞書「たび〳〵返事せぬ女に」(たびたび返事をくれない女に)。

修辞

序詞
「水の上にうきたる鳥の跡もなく」が「おぼつかなさ」を導く。

解説

伊尹の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、186頁(コマ103)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日