古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第十一 恋歌一 994番

春日野の

在原業平(ありわらのなりひら)

春日野の若紫で摺った衣の、しのぶ摺りの乱れ模様のように、私の心の乱れは限りもない。

作者
在原業平朝臣(在原業平)
  1. 1女をんな女をんなおんなにつかはしけるにつかはしけるにつかわしける詞書
  2. 2春日野かすがの春日野かすがのかすがのののの初句
  3. 3若わか若わかわか紫むらさき紫むらさきむらさきののの二句
  4. 4摺す摺すすりごろもりごろもりごろも三句
  5. 5しのぶのしのぶのしのぶの亂みだ亂みだみだれれれ四句
  6. 6かぎりかぎりかぎり知し知ししられずられずられず結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕女に贈った歌。

春日野の若紫で摺った衣の、しのぶ摺りの乱れ模様のように、私の心の乱れは限りもない。

意訳

春日野の若い紫草で摺り染めた衣の乱れ模様のように、あなたを恋い慕う私の心は、限りなく乱れている。

語釈・文法注

若紫
若い紫草。美しい姉妹をたとえる。
しのぶの乱れ
しのぶ摺りの乱れ模様。「忍ぶ」を掛ける。

和歌

作者
在原業平(ありわらのなりひら) 825–880
平城天皇の皇子阿保親王の子。右近衛権中将などを務め、「在五中将」と呼ばれた。仮名序は「その心餘りて詞たらず」と評する。『伊勢物語』の主人公「昔男」のモデルとされる。六歌仙・三十六歌仙の一人。
出典
『新古今和歌集』巻第十一・恋歌一・994番
歌体
短歌
状況
詞書「女につかはしける」(女に贈った歌)。

修辞

序詞
「春日野の若紫の摺りごろも」が「しのぶの乱れ」を導く。
掛詞
「しのぶ」に「忍ぶ」と「信夫(摺り)」。

解説

業平の歌。『伊勢物語』第一段(初冠)の歌。

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出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、181頁(コマ100)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日