古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第八 哀傷歌 833番

きのふ見し

慈円(じえん)

昨日会った人はどうしたかと、はっと気づくと、なお長い夜の夢の中にいるのだった。

詞書
「無常の心を」(前の歌と同じ詞書)
作者
前大僧正慈圓(慈円)
  1. 1きのきのきのふふう見み見みみししし初句
  2. 2人ひと人ひとひとはははいかにといかにといかにと二句
  3. 3驚おどろ驚おどろおどろけばけばけば三句
  4. 4猶なほ猶なほなおながきよのながきよのながきよの四句
  5. 5夢ゆめ夢ゆめゆめにぞありけるにぞありけるにぞありける結句

引用の仕方

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現代語訳

昨日会った人はどうしたかと、はっと気づくと、なお長い夜の夢の中にいるのだった。

意訳

昨日会ったあの人がどうして亡くなったのかと驚いて目を覚ますと、私はまだ、無明の長い夜の夢の中にいるのだった。

語釈・文法注

長き夜の夢
迷いの世を長い夜の夢にたとえる。

和歌

作者
慈円(じえん) 1155–1225
関白藤原忠通の子で、九条兼実の弟、良経の叔父。天台座主を四度務めた。歴史書『愚管抄』を著した。率直で多彩な歌風で、『新古今和歌集』に西行に次ぐ九十二首が入る。家集に『拾玉集』がある。
出典
『新古今和歌集』巻第八・哀傷歌・833番
歌体
短歌
状況
詞書「無常の心を」(無常の心を詠んだ歌)。

解説

慈円の歌。底本は第三句を「驚けば」とするが、「驚けど」とする本もある。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、151頁(コマ85)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日