古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第六 冬歌 689番

なか〳〵に

永縁(えいえん)

かえって消えるなら消えてしまわないで、埋火のように生きていても、かいのない世であることよ。

作者
權僧正永緣(永縁)
  1. 1埋火うづみび埋火うづみびうずみびをををよみよみよみ侍はべ侍はべはべりけるりけるりける詞書
  2. 2なか〳〵になか〳〵になかなかに初句
  3. 3消き消ききえはえはえは消き消ききえなでえなでえなで二句
  4. 4埋火うづみび埋火うづみびうずみびののの三句
  5. 5いきてかひなきいきてかひなきいきてかいなき四句
  6. 6世よ世よよにもあるかなにもあるかなにもあるかな結句

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

〔詞書〕埋火を詠みました歌。

かえって消えるなら消えてしまわないで、埋火のように生きていても、かいのない世であることよ。

意訳

いっそ消えてしまえばよいのに、埋火のように消えずに生き長らえている。生きていても、なんのかいもない世の中だ。

語釈・文法注

埋火
灰に埋めた炭火。
なかなかに
かえって。

和歌

作者
永縁(えいえん) 1048–1125
藤原永相の子。興福寺の僧で、権僧正に至った。ほととぎすの歌で名高く、「初音の僧正」と呼ばれた。
出典
『新古今和歌集』巻第六・冬歌・689番
歌体
短歌
状況
詞書「埋火をよみ侍りける」(埋火を詠みました歌)。

修辞

比喩
わが身を埋火にたとえる。

解説

永縁の歌。底本は結句を「世にもあるかな」とするが、「世にもふるかな」とする本もある。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、120頁(コマ70)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日