古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第六 冬歌 652番

はかなしや

藤原雅経(飛鳥井雅経)(ふじわらのまさつね)

はかないことだ。それにしても幾夜、流れゆく水に数を書きかねて嘆く、鴛鴦の独り寝が続くのだろう。

作者
藤原雅經(藤原雅経(飛鳥井雅経))
  1. 1五十首ごじつしゆ五十首ごじつしゆごじっしゅののの歌うた歌うたうた奉たてまつ奉たてまつたてまつりしりしりし時とき時ときとき詞書
  2. 2はかなしやはかなしやはかなしや初句
  3. 3さてもさてもさても幾いく幾いくいく夜よ夜よよかかか二句
  4. 4行ゆ行ゆゆくくく水みづ水みづみずににに三句
  5. 5數かず數かずかずかきわぶるかきわぶるかきわぶる四句
  6. 6鴛鴦をし鴛鴦をしおしのののひとりひとりひとり寐ね寐ねね結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕五十首歌を献上した時の歌。

はかないことだ。それにしても幾夜、流れゆく水に数を書きかねて嘆く、鴛鴦の独り寝が続くのだろう。

意訳

なんとはかないことか。流れる水に数を書くように、むなしく夜を数えては嘆く鴛鴦の独り寝。いったい幾夜続くのだろう。

語釈・文法注

行く水に数かく
流れる水に数を書くこと。むなしいことのたとえ。
鴛鴦
おしどり。雌雄仲のよい鳥とされる。

和歌

作者
藤原雅経(飛鳥井雅経)(ふじわらのまさつね) 1170–1221
藤原頼経の子。『新古今和歌集』の撰者の一人。蹴鞠の名手で、和歌と蹴鞠の家である飛鳥井家の祖となった。鎌倉に下って源実朝とも交わった。
出典
『新古今和歌集』巻第六・冬歌・652番
歌体
短歌
状況
詞書「五十首の歌奉りし時」(五十首歌を献上した時の歌)。

修辞

初句切れ
初句切れ。
本歌取り
「行く水に数かくよりもはかなきは思はぬ人を思ふなりけり」(古今集・恋一)をふまえる。
体言止め
体言止め。

解説

雅経の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、114頁(コマ67)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日