新古今和歌集 巻第六 冬歌 649番
風吹けば
風が吹くと、遠くなる鳴海潟。その片思いのように、思いもかけない浪に鳴く千鳥よ。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕最勝四天王院の障子に、鳴海の浦を描いた所に添えた歌。
風が吹くと、遠くなる鳴海潟。その片思いのように、思いもかけない浪に鳴く千鳥よ。
意訳
風が吹くと潟が浪にのまれて遠くなり、千鳥は思いもかけない浪に追われて鳴いている。片思いをして泣く人の身の上のようだ。
語釈・文法注
- よそになる
- 遠くなる。疎遠になる。
和歌
- 作者
- 藤原秀能(ふじわらのひでよし) 1184–1240
後鳥羽院の北面・西面の武士。和歌所の寄人として院に重んじられた。承久の乱で院方として戦い、のち出家して如願と号した。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第六・冬歌・649番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「最勝四天王院の障子に、鳴海の浦書きたるところ」(最勝四天王院の障子に、鳴海の浦を描いた所に添えた歌)。
修辞
- 掛詞
- 「なるみ」に「成る身」と「鳴海」、「かた」に「潟」と「片思ひ」、「なく」に「鳴く」と「泣く」。
- 体言止め
- 体言止め。
解説
秀能の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、113頁(コマ66)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日