古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第六 冬歌 637番

あじろ木に

慈円(じえん)

網代木にためらう浪の音が更けて、独りで寝たのだろうか、宇治の橋姫は。

詞書
「最勝四天王院の障子に、宇治川かきたる所」(前の歌と同じ詞書)
作者
前大僧正慈圓(慈円)
  1. 1あじろあじろあじろ木ぎ木ぎぎににに初句
  2. 2いざよふいざよふいざよう浪なみ浪なみなみののの二句
  3. 3音おと音おとおとふけてふけてふけて三句
  4. 4獨ひとり獨ひとりひとりややや寢ね寢ねねぬるぬるぬる四句
  5. 5宇治うぢ宇治うぢうじののの橋姫はしひめ橋姫はしひめはしひめ結句

引用の仕方

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現代語訳

網代木にためらう浪の音が更けて、独りで寝たのだろうか、宇治の橋姫は。

意訳

網代木にせかれてためらう浪の音が、夜更けとともに響いてくる。宇治の橋姫は、今夜も独りで寝たのだろうか。

語釈・文法注

網代木
魚をとる網代を仕掛けるために川に打った杭。宇治川の冬の景物。
いさよふ
ためらう。

和歌

作者
慈円(じえん) 1155–1225
関白藤原忠通の子で、九条兼実の弟、良経の叔父。天台座主を四度務めた。歴史書『愚管抄』を著した。率直で多彩な歌風で、『新古今和歌集』に西行に次ぐ九十二首が入る。家集に『拾玉集』がある。
出典
『新古今和歌集』巻第六・冬歌・637番
歌体
短歌
状況
詞書「最勝四天王院の障子に、宇治川かきたる所」(最勝四天王院の障子に、宇治川を描いた所に添えた歌)。

修辞

倒置
倒置。
体言止め
体言止め。

解説

慈円の歌。前の歌と同じ障子の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、111頁(コマ65)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日