古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第六 冬歌 625番

津の國の

西行法師(さいぎょうほうし)

摂津の国の難波の春は、夢だったのだろうか。蘆の枯れ葉に風が吹きわたっている。

詞書
「題しらず」(前の歌と同じ詞書)
作者
西行法師
  1. 1津つ津つつののの國くに國くにくにののの初句
  2. 2難波なには難波なにはなにわののの春はる春はるはるははは二句
  3. 3夢ゆめ夢ゆめゆめなれやなれやなれや三句
  4. 4蘆あし蘆あしあしののの枯葉かれは枯葉かれはかれはににに四句
  5. 5風かぜ風かぜかぜ渡わた渡わたわたるなりるなりるなり結句

引用の仕方

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現代語訳

摂津の国の難波の春は、夢だったのだろうか。蘆の枯れ葉に風が吹きわたっている。

意訳

あの美しかった摂津の国の難波の春景色は、夢だったのだろうか。今は蘆の枯れ葉に、冷たい風が音を立てて吹きわたっている。

語釈・文法注

津の国
摂津国。今の大阪府・兵庫県の一部。
なれや
〜だったのだろうか。

和歌

作者
西行法師(さいぎょうほうし) 1118–1190
俗名は佐藤義清(のりきよ)。鳥羽院の北面の武士だったが、二十三歳で出家し、諸国を旅して歌を詠んだ。自然と人生の哀感を率直に詠み、『新古今和歌集』に最も多い九十四首が入る。家集に『山家集』がある。
出典
『新古今和歌集』巻第六・冬歌・625番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

修辞

三句切れ
三句切れ。
本歌取り
能因法師「心あらむ人に見せばや津の国の難波わたりの春のけしきを」(後拾遺集)をふまえる。

解説

西行の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、109頁(コマ64)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日