古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第六 冬歌 602番

もみぢ葉は

慈円(じえん)

紅葉の葉は、自分が染めた色なのだよ。それなのに、無関係そうに置いている今朝の霜よ。

詞書
「題しらず」(前の歌と同じ詞書)
作者
前大僧正慈圓(慈円)
  1. 1もみぢもみぢもみじ葉ば葉ばばははは初句
  2. 2おのがおのがおのが染そ染そそめたるめたるめたる二句
  3. 3色いろ色いろいろぞかしぞかしぞかし三句
  4. 4よそげによそげによそげに置お置おおけるけるける四句
  5. 5今朝けさ今朝けさけさののの霜しも霜しもしもかなかなかな結句

引用の仕方

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現代語訳

紅葉の葉は、自分が染めた色なのだよ。それなのに、無関係そうに置いている今朝の霜よ。

意訳

紅葉の葉は霜が自分で染めた色なのだ。それなのに今朝の霜は、素知らぬ顔で、紅葉の上に白く置いている。

語釈・文法注

ぞかし
〜なのだよ。強く念を押す。
よそげに
自分とは関係なさそうに。

和歌

作者
慈円(じえん) 1155–1225
関白藤原忠通の子で、九条兼実の弟、良経の叔父。天台座主を四度務めた。歴史書『愚管抄』を著した。率直で多彩な歌風で、『新古今和歌集』に西行に次ぐ九十二首が入る。家集に『拾玉集』がある。
出典
『新古今和歌集』巻第六・冬歌・602番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

修辞

三句切れ
三句切れ。
擬人法
擬人法。
体言止め
体言止め。

解説

慈円の歌。霜が木の葉を紅葉させるという考えをふまえる。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、106頁(コマ63)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日