古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第六 冬歌 580番

やよ時雨

慈円(じえん)

おい時雨よ、もの思いをする私の袖がなかったならば、木の葉の後に何を染めることだろう。

作者
前大僧正慈圓(慈円)
  1. 1時雨しぐれ時雨しぐれしぐれををを詞書
  2. 2やよやよやよ時雨しぐれ時雨しぐれしぐれ初句
  3. 3ものものもの思おも思おもおもふふう袖そで袖そでそでののの二句
  4. 4なかりせばなかりせばなかりせば三句
  5. 5木こ木ここののの葉は葉ははののの後のち後のちのちににに四句
  6. 6何なに何なになにををを染そ染そそめましめましめまし結句

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

〔詞書〕時雨を詠んだ歌。

おい時雨よ、もの思いをする私の袖がなかったならば、木の葉の後に何を染めることだろう。

意訳

おい時雨よ、木の葉を染めつくした後、おまえは何を染めるつもりだったのか。もの思いで涙に濡れる私の袖がなかったなら。

語釈・文法注

やよ
呼びかけの語。
せば〜まし
反実仮想。

和歌

作者
慈円(じえん) 1155–1225
関白藤原忠通の子で、九条兼実の弟、良経の叔父。天台座主を四度務めた。歴史書『愚管抄』を著した。率直で多彩な歌風で、『新古今和歌集』に西行に次ぐ九十二首が入る。家集に『拾玉集』がある。
出典
『新古今和歌集』巻第六・冬歌・580番
歌体
短歌
状況
詞書「時雨を」(時雨を詠んだ歌)。

修辞

反実仮想
反実仮想。
擬人法
擬人法。

解説

慈円の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、102頁(コマ61)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日