新古今和歌集 巻第六 冬歌 559番
木の葉ちる
木の葉が散る宿で、片袖を敷いて寝る私の袖の色を、あるとも知らずに吹いてゆく嵐よ。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕春日社の歌合で、「落葉」という題を詠んで献上した歌。
木の葉が散る宿で、片袖を敷いて寝る私の袖の色を、あるとも知らずに吹いてゆく嵐よ。
意訳
木の葉が散る宿で、独り寝の片袖を敷いている。その袖は紅の涙で紅葉のように染まっているのに、嵐はそれがあるとも知らずに通りすぎていく。
語釈・文法注
- かたしく
- 衣の片袖だけを敷いて独り寝をする。
- 袖の色
- 悲しみの紅の涙(血の涙)で染まった袖の色。
和歌
- 作者
- 慈円(じえん) 1155–1225
関白藤原忠通の子で、九条兼実の弟、良経の叔父。天台座主を四度務めた。歴史書『愚管抄』を著した。率直で多彩な歌風で、『新古今和歌集』に西行に次ぐ九十二首が入る。家集に『拾玉集』がある。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第六・冬歌・559番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「春日社の歌合に、落葉といふことをよみて奉りし」(春日社の歌合で、「落葉」という題を詠んで献上した歌)。
修辞
- 体言止め
- 体言止め。
解説
慈円の歌。嵐は木の葉を散らすが、紅に染まった袖は散らせない、という発想。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、98頁(コマ59)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日