新古今和歌集 巻第五 秋歌下 528番
思ふこと
もの思いもなく見ることができただろうに。紅葉を、嵐の吹く嵐山の麓でなかったならば。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕大井川に出かけて、紅葉を見ました時の歌。
もの思いもなく見ることができただろうに。紅葉を、嵐の吹く嵐山の麓でなかったならば。
意訳
嵐山の麓では、いつ嵐が吹いて紅葉を散らすかと気がかりだ。ここが嵐山でなければ、何の心配もなく紅葉を楽しめただろうに。
語釈・文法注
- 嵐の山
- 嵐山。「嵐」を掛ける。
和歌
- 作者
- 藤原輔尹(ふじわらのすけただ) 生没年未詳(十世紀末〜十一世紀初め)
藤原興方の子。大和守などを務めた。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第五・秋歌下・528番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「大井川にまかりて、紅葉見侍りけるに」(大井川に出かけて、紅葉を見ました時の歌)。
修辞
- 掛詞
- 「あらし」に「嵐」と「嵐山」を掛ける。
- 反実仮想
- 反実仮想。
解説
輔尹の歌。底本は第二句を「なくてぞ見まし」とするが、「なくてや見まし」とする本もある。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、92頁(コマ56)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日