古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第五 秋歌下 521番

長月も

慈円(じえん)

長月も、幾たび有明の夜を重ねたことだろうか。浅茅に映る月の光がいっそう寂しくなっていく。

作者
前大僧正慈圓(慈円)
  1. 1暮秋ぼしう暮秋ぼしうぼしゅうののの心こころ心こころこころををを詞書
  2. 2長月ながつき長月ながつきながつきももも初句
  3. 3いくいくいく有明ありあけ有明ありあけありあけににに二句
  4. 4なりぬらむなりぬらむなりぬらむ三句
  5. 5淺茅あさぢ淺茅あさぢあさじののの月つき月つきつきののの四句
  6. 6いとゞさびゆくいとゞさびゆくいとどさびゆく結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕「暮秋(暮れていく秋)」の心を詠んだ歌。

長月も、幾たび有明の夜を重ねたことだろうか。浅茅に映る月の光がいっそう寂しくなっていく。

意訳

九月ももう終わりに近く、有明の月を幾度見ただろう。浅茅に映る月の光は、日ごとに寂しさを増していく。

語釈・文法注

いく有明
いくつの有明。
さびゆく
寂しくなっていく。

和歌

作者
慈円(じえん) 1155–1225
関白藤原忠通の子で、九条兼実の弟、良経の叔父。天台座主を四度務めた。歴史書『愚管抄』を著した。率直で多彩な歌風で、『新古今和歌集』に西行に次ぐ九十二首が入る。家集に『拾玉集』がある。
出典
『新古今和歌集』巻第五・秋歌下・521番
歌体
短歌
状況
詞書「暮秋の心を」(「暮秋(暮れていく秋)」の心を詠んだ歌)。

修辞

三句切れ
三句切れ。

解説

慈円の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、91頁(コマ55)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日