古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第五 秋歌下 512番

秋を經て

慈円(じえん)

秋を重ねるごとに、哀れも露も深くなる深草の里を訪れるものは、鶉であったよ。

作者
前大僧正慈圓(慈円)
  1. 1千五百番せんごひやくばん千五百番せんごひやくばんせんごひゃくばん歌合うたあはせ歌合うたあはせうたあわせににに詞書
  2. 2秋あき秋あきあきををを經へ經へへててて初句
  3. 3あはれもあはれもあわれも露つゆ露つゆつゆももも二句
  4. 4深草ふかくさ深草ふかくさふかくさののの三句
  5. 5里さと里さとさととととふものふものうものははは四句
  6. 6鶉うづら鶉うづらうずらなりけりなりけりなりけり結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕千五百番歌合に詠んだ歌。

秋を重ねるごとに、哀れも露も深くなる深草の里を訪れるものは、鶉であったよ。

意訳

幾度も秋を経て、哀れも露もいっそう深くなった深草の里。今そこを訪ねてくるのは、人ではなく鶉だけだ。

語釈・文法注

深草
「深し」を掛ける。『伊勢物語』の深草の里で、鶉と結びつく。

和歌

作者
慈円(じえん) 1155–1225
関白藤原忠通の子で、九条兼実の弟、良経の叔父。天台座主を四度務めた。歴史書『愚管抄』を著した。率直で多彩な歌風で、『新古今和歌集』に西行に次ぐ九十二首が入る。家集に『拾玉集』がある。
出典
『新古今和歌集』巻第五・秋歌下・512番
歌体
短歌
状況
詞書「千五百番歌合に」(千五百番歌合に詠んだ歌)。

修辞

掛詞
「ふか」に「深し」と「深草」を掛ける。

解説

慈円の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、89〜90頁(コマ54)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日