新古今和歌集 巻第五 秋歌下 478番
里はあれて
里は荒れて、月は昔のままではないのかと恨みながらも、誰が浅茅の生い茂る所で衣を打っているのだろうか。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕和歌所の歌合で、「月の下に衣を打つ」という題で詠んだ歌。
里は荒れて、月は昔のままではないのかと恨みながらも、誰が浅茅の生い茂る所で衣を打っているのだろうか。
意訳
荒れ果てた里で、昔と変わってしまったと嘆きながら、浅茅の生えた家で誰かが衣を打っている。その砧の音が月夜に響く。
語釈・文法注
- 月やあらぬ
- 『伊勢物語』の「月やあらぬ春や昔の春ならぬ」をふまえる。
- 淺茅生
- 浅茅の生えた所。荒れた家を表す。
和歌
- 作者
- 藤原良経(後京極摂政)(ふじわらのよしつね) 1169–1206
九条兼実の子。摂政・太政大臣に至った。『新古今和歌集』の仮名序を書き、和歌所の寄人の筆頭として撰集を主導した。叔父の慈円や藤原定家ら御子左家の歌人を庇護し、清新で格調の高い歌を詠んだ。書にもすぐれ、後京極流の祖とされる。『新古今和歌集』に七十九首が入る。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第五・秋歌下・478番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「和歌所の歌合に、月の下に衣をうつといふことを」(和歌所の歌合で、「月の下に衣を打つ」という題で詠んだ歌)。
修辞
- 本歌取り
- 在原業平の「月やあらぬ」の歌をふまえる。
解説
良経の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、84頁(コマ52)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日