古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第五 秋歌下 476番

衣うつ

慈円(じえん)

衣を打つ音が枕もとに聞こえて、菅原の伏見の里で見る夢を、幾夜途中で覚まさせてきたことか。

詞書
「題しらず」(前の歌と同じ詞書)
作者
前大僧正慈圓(慈円)
  1. 1衣ころも衣ころもころもうつうつうつ初句
  2. 2音おと音おとおとはははまくらにまくらにまくらに二句
  3. 3すがはらやすがはらやすがわらや三句
  4. 4ふしみのふしみのふしみの夢ゆめ夢ゆめゆめををを四句
  5. 5幾いく幾いくいく夜よ夜よよ殘のこ殘のこのこしつしつしつ結句

引用の仕方

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現代語訳

衣を打つ音が枕もとに聞こえて、菅原の伏見の里で見る夢を、幾夜途中で覚まさせてきたことか。

意訳

菅原の伏見の里で寝ていると、衣を打つ砧の音が枕もとに響いて、幾夜も夢が途中で覚めてしまった。

語釈・文法注

すがはらや
大和国の菅原。
ふしみ
地名の「伏見」と「臥し見」を掛ける。

和歌

作者
慈円(じえん) 1155–1225
関白藤原忠通の子で、九条兼実の弟、良経の叔父。天台座主を四度務めた。歴史書『愚管抄』を著した。率直で多彩な歌風で、『新古今和歌集』に西行に次ぐ九十二首が入る。家集に『拾玉集』がある。
出典
『新古今和歌集』巻第五・秋歌下・476番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

修辞

掛詞
「ふしみ」に「伏見」と「臥し見(る夢)」を掛ける。

解説

慈円の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、83頁(コマ51)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日