古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第五 秋歌下 445番

なく鹿の

慈円(じえん)

鳴く鹿の声で目を覚まして、恋しく思い出すことだ。見終わらなかった夢の中の、秋のもの思いを。

作者
前大僧正慈圓(慈円)
  1. 1千五百番せんごひやくばん千五百番せんごひやくばんせんごひゃくばん歌合うたあはせ歌合うたあはせうたあわせににに詞書
  2. 2なくなくなく鹿しか鹿しかしかののの初句
  3. 3聲こゑ聲こゑこえににに目め目めめ覺ざ覺ざざめてめてめて二句
  4. 4忍しの忍しのしのぶかなぶかなぶかな三句
  5. 5見み見みみはははてぬてぬてぬ夢ゆめ夢ゆめゆめののの四句
  6. 6秋あき秋あきあきののの思おも思おもおもひひいををを結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕千五百番歌合に詠んだ歌。

鳴く鹿の声で目を覚まして、恋しく思い出すことだ。見終わらなかった夢の中の、秋のもの思いを。

意訳

鹿の鳴く声で夢から覚めた。途中で覚めてしまった夢の中のもの思いを、しみじみと思い返している。

語釈・文法注

忍ぶ
思い慕う。
見はてぬ夢
最後まで見終わらなかった夢。

和歌

作者
慈円(じえん) 1155–1225
関白藤原忠通の子で、九条兼実の弟、良経の叔父。天台座主を四度務めた。歴史書『愚管抄』を著した。率直で多彩な歌風で、『新古今和歌集』に西行に次ぐ九十二首が入る。家集に『拾玉集』がある。
出典
『新古今和歌集』巻第五・秋歌下・445番
歌体
短歌
状況
詞書「千五百番歌合に」(千五百番歌合に詠んだ歌)。

修辞

倒置法
倒置法。

解説

慈円の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、78頁(コマ49)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日