新古今和歌集 巻第三 夏歌 274番
楸おふる
楸の生えている片山の陰に、人目を忍びながら、もう吹いていたのだなあ、秋の初風は。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕刑部卿頼輔が歌合を催しました時に、「納涼」という題で詠みました歌。
楸の生えている片山の陰に、人目を忍びながら、もう吹いていたのだなあ、秋の初風は。
意訳
楸の木が生える山陰に来ると、涼しい風が吹いている。秋の初風は、まだ夏なのに、ここにひそかに吹いていたのだ。
語釈・文法注
- 楸
- アカメガシワとも、キササゲともいう木。
- 片山かげ
- 一方が切り立った山の陰。
和歌
- 作者
- 俊恵法師(しゅんえほうし) 1113–?
源俊頼の子。東大寺の僧。京都白川の自坊を「歌林苑」と名づけ、身分を問わず歌人を集めて歌会を開いた。鴨長明の和歌の師。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第三・夏歌・274番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「刑部卿賴輔歌合し侍りけるに、納涼をよみ侍りける」(刑部卿頼輔が歌合を催しました時に、「納涼」という題で詠みました歌)。
修辞
- 体言止め
- 体言止め。
解説
俊恵の歌。底本は結句を「秋のはつ風」とするが、「秋の夕風」とする本もある。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、48頁(コマ34)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日