古典ライブラリー

万葉集 巻第二十 4482番

堀江越え 遠き里まで

藤原執弓(ふじわらのとりゆみ)

播磨介藤原執弓が任国に赴く時、別れを悲しんで詠んだ歌。堀江を越えて遠い里まで見送ってくれたあなたの心は、忘れられないだろうという歌。

堀江を越えて旅立つ官人と、見送る友

題詞(播磨介藤原朝臣執弓の歌一首)

  1. 1堀江ほりえ堀江ほりえほりえ越こ越ここえええ保里延故要
  2. 2遠とほ遠とほとおききき里さと里さとさとまでまでまで等保伎佐刀麻弖
  3. 3送おく送おくおくりりりけるけるける於久利家流
  4. 4君きみ君きみきみががが心こころ心こころこころははは伎美我許己呂波
  5. 5忘わす忘わすわすらららゆゆゆましじましじましじ和須良由麻之自

引用の仕方

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現代語訳

堀江を越えて、遠い里まで見送ってくれたあなたの心は、忘れることはできないだろう。

意訳

任国の播磨へ下る執弓が、遠くまで見送ってくれた友の厚意を忘れまいと詠んだ別れの歌である。

語釈・文法注

文法・本文

忘らゆましじ
忘れることはできないだろう。「ゆ」は可能、「ましじ」は打消の推量。

和歌

作者
藤原執弓(?–764)
藤原仲麻呂の子で、のち真先と名を改めた。播磨介のとき、巻二十に歌を残す。父の乱で討たれた。
出典
『万葉集』巻第二十・部立なし・4482番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第4期(733〜759年(〜万葉集の最後の歌))
状況
播磨介藤原執弓が任地に赴く時の歌。大原今城の家の宴で、今城が伝え読んだ。

修辞

感謝
見送りの厚意への感謝を詠む。

解説

藤原執弓は藤原仲麻呂の子とされ、のち真先と名を改めた。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』下巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、748頁(コマ167)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』下巻 岩波書店、昭和5年(1930)、884頁(コマ206)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日