万葉集 巻第十五 3588番
はろばろに 思ほゆるかも
遣新羅使人と妻との贈答歌の終わりの一首。はるかに遠く思われるけれど、浮ついた心を私は持っていないという歌。
場面イラスト(準備中)
題詞新羅に遣さるる使人等、別を悲しみて贈答し、及海路に情を慟しみ思を陳ぶ、并に所に當りて誦詠せる古歌
現代語訳
はるばると遠く思われることだ。けれども、浮ついた心を、私は持っていないのに。
意訳
遣新羅使人と妻の贈答十一首の結びである。遠く隔たることを思いながらも、心変わりはしないと誓う。
語釈・文法注
文法・本文
- はろばろに
- はるばると。
- 異しき情
- 「けしきこころ」。変わった心、浮気心。白文は「異情」と書く。
和歌
- 作者
- 作者未詳
- 出典
- 『万葉集』巻第十五・部立なし・3588番
- 歌体
- 短歌(五七五七七)
- 時期
- 作者未詳(時代を問わない)
- 状況
- 遣新羅使人とその妻の贈答。
修辞
- 誓い
- 心変わりしないことを誓って贈答を結ぶ。
解説
3578〜3588番の贈答十一首は、出発前の夫婦の別れを伝える。
関連
出典
- 底本
- 佐佐木信綱編『新訓万葉集』下巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、553頁(コマ69)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 原文
- 佐佐木信綱編『白文万葉集』下巻 岩波書店、昭和5年(1930)、646頁(コマ87)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日