古典ライブラリー

万葉集 巻第十三 3222番

三諸は 人の守る山

作者未詳

三諸の山は人が大切に守る山で、麓には馬酔木の花が咲き、頂には椿の花が咲く。美しい山で、泣く子をあやすように人が守る山だ、とたたえる長歌。

三諸の山の麓に馬酔木、頂に椿の花が咲いている

題詞(雑歌)

  1. 1三諸みもろ三諸みもろみもろははは人ひと人ひとひとののの守も守ももるるる山やま山やまやま三諸者 人之守山
  2. 2本もと本もともと邊べ邊べべははは馬醉木あしび馬醉木あしびあしび花はな花はなはな開さ開ささききき本邊者 馬醉木花開
  3. 3末すゑ末すゑすえ邊べ邊べべははは椿つばき椿つばきつばき花はな花はなはな開さ開ささくくく末邊方 椿花開
  4. 4うらうらうら麗ぐは麗ぐはぐわししし山やま山やまやまぞぞぞ泣な泣ななくくく兒こ兒ここ守も守ももるるる山やま山やまやま浦妙 山曾 泣兒守山

引用の仕方

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現代語訳

三諸の山は、人が大切に守っている山だ。麓のあたりには馬酔木の花が咲き、頂のあたりには椿の花が咲く。心にしみて美しい山だ。泣く子をあやすように人が守る山だ。

意訳

神の宿る三諸の山をたたえる歌である。麓には馬酔木、頂には椿が咲く美しい山を、泣く子を大切にあやすように人々が守っているという。

語釈・文法注

文法・本文

三諸
「みもろ」。神の降りる所。ここでは三輪山とも。
本邊
「もとべ」。山の麓のあたり。
末邊
「すゑべ」。山の頂のあたり。
うら麗し
心にしみて美しい。
泣く兒守る
泣く子をあやして守るように大切にする。

和歌

作者
作者未詳
出典
『万葉集』巻第十三・雑歌・3222番
歌体
長歌(五七をくり返し、五七七で結ぶ)
時期
作者未詳(時代を問わない)
状況
雑歌。作者未詳。

修辞

対句
「本邊は馬醉木花開き」と「末邊は椿花開く」。
反復
「人の守る山」と「泣く兒守る山」。

解説

神の山を、子を守るように守るという比喩で、山への親しみと畏敬が表されている。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』下巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、497頁(コマ41)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』下巻 岩波書店、昭和5年(1930)、573頁(コマ50)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日