古典ライブラリー

万葉集 巻第十一 2814〜2815番

吾が戀は 慰めかねつ

作者未詳

私の恋は慰められない、長い間夢にも見えないまま年が経ったので、と問う。長い間夢にも見えず途絶えたが、私の片恋は止む時もない、と答える。問答の歌。

長く逢えない恋人を思い、独り夜を過ごしている

題詞(問答)

  1. 1吾わ吾わわががが戀こひ戀こひこいははは吾戀者2814 問
  2. 2慰なぐさ慰なぐさなぐさめめめかねかねかねつつつ名草目金津
  3. 3ままま日け日けけ長なが長ながながくくく眞氣長
  4. 4夢いめ夢いめいめににに見み見みみえええずずずててて夢不所見而
  5. 5年とし年としとしののの經へ經へへぬれぬれぬればばば年之經去禮者
  6. 6ままま日け日けけ長なが長ながながくくく眞氣永2815 答
  7. 7夢いめ夢いめいめにににももも見み見みみえええずずず夢毛不所見
  8. 8絕た絕たたえええたれたれたれどどど雖絕
  9. 9吾わ吾わわががが片かた片かたかた戀こひ戀こひこいははは吾之片戀者
  10. 10止や止ややむむむ時とき時ときときもももあらあらあらずずず止時毛不有

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

〔2814〕私の恋は慰めようもない。長い間、夢にも見えないで、年が過ぎてしまったので。

〔2815〕長い間、夢にも見えず、仲は絶えてしまったけれど、私の片恋は止む時もない。

意訳

問答の歌である。長い間夢にも見えないまま年が過ぎて恋を慰めようもないと嘆く歌に、夢にも見えず仲は絶えたが自分の片恋は止まないと答える。互いに同じ句を用いて応じている。

語釈・文法注

文法・本文

慰めかねつ
慰めることができない。
ま日長く
「まけながく」。長い日数にわたって。

和歌

作者
作者未詳
出典
『万葉集』巻第十一・相聞・2814〜2815番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
作者未詳(時代を問わない)
状況
問答。作者未詳。

修辞

問答
「ま日長く」「夢に見え」を受けて答える。

解説

答えの歌が「片戀」と言うのは、相手の訪れが途絶えたことへの恨みを込めたものであろう。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』下巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、458頁(コマ22)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』下巻 岩波書店、昭和5年(1930)、528頁(コマ28)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日