古典ライブラリー

万葉集 巻第八 1610番

高圓の 秋野の上の

丹生女王(にうのおおきみ)

高円の秋の野の撫子の花。若々しいので人が挿頭にした撫子の花よ。丹生女王が大宰帥大伴旅人に贈った旋頭歌。

高円の秋の野に撫子が咲き、若者がその花を髪に挿している

題詞丹生女王、太宰帥大伴卿に贈れる歌一首

  1. 1高圓たかまと高圓たかまとたかまとののの高圓之
  2. 2秋あき秋あきあき野ぬ野ぬぬののの上うへ上うへうえののの秋野上乃
  3. 3瞿麥なでしこ瞿麥なでしこなでしこののの花はな花はなはな瞿麥之花
  4. 4うらうらうら若わか若わかわかみみみ丁壯香見
  5. 5人ひと人ひとひとのののかざしかざしかざしししし人之挿頭師
  6. 6瞿麥なでしこ瞿麥なでしこなでしこののの花はな花はなはな瞿麥之花

引用の仕方

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現代語訳

高円の秋の野の撫子の花よ。若々しいので、人が挿頭にした撫子の花よ。

意訳

奈良の高円の野に咲く撫子を、若いころの自分にたとえ、かつてあなたが挿頭にして愛でた撫子だと、昔の思い出を大宰府の旅人に贈っている。

語釈・文法注

文法・本文

うら若み
若々しいので。

和歌

作者
丹生女王(生没年未詳)
奈良時代の女王。大伴旅人と歌を交わした。
出典
『万葉集』巻第八・相聞・1610番
歌体
旋頭歌(五七七五七七)
時期
第3期(710〜733年(平城京遷都〜山上憶良の没年ごろ))
状況
丹生女王が大宰帥大伴旅人に贈った旋頭歌。

修辞

反復
第三句と第六句に「瞿麥の花」をくり返す。

解説

丹生女王は巻第四の553・554番でも旅人に歌を贈っている。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、329頁(コマ168)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、371頁(コマ191)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日