古典ライブラリー

万葉集 巻第八 1484番

霍公鳥 いたくな鳴きそ

大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ)

ほととぎすよ、ひどく鳴かないでおくれ。ひとりで寝つけないでいるのに、聞くとつらいから。大伴坂上郎女の歌。

夜ふけの寝所で、眠れずにいる女性の耳に、ほととぎすの声が響いている

題詞大伴坂上郎女の歌一首

  1. 1霍公鳥ほととぎす霍公鳥ほととぎすほととぎす霍公鳥
  2. 2いたくいたくいたくななな鳴な鳴ななきききそそそ痛莫鳴
  3. 3獨ひとり獨ひとりひとり居ゐ居ゐいててて獨居而
  4. 4寐い寐いいののの宿ね宿ねねらららえええぬぬぬににに寐乃不所宿
  5. 5聞き聞ききけけけばばば苦くる苦くるくるしししももも聞者苦毛

引用の仕方

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現代語訳

ほととぎすよ、ひどく鳴かないでおくれ。ひとりでいて眠れないでいるのに、聞くとつらいから。

意訳

ひとり寝の寂しさに眠れない夜、ほととぎすの声はいっそう心をかき乱す。だからそんなに鳴かないでほしいと願っている。

語釈・文法注

文法・本文

寐の宿らえぬ
眠ることができない。

和歌

作者
大伴坂上郎女(生没年未詳)
大伴安麻呂の娘で、旅人の異母妹。家持の叔母で、のちに姑となった。
出典
『万葉集』巻第八・雑歌・1484番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第3期(710〜733年(平城京遷都〜山上憶良の没年ごろ))
状況
大伴坂上郎女の歌。

解説

1465番の藤原夫人の歌と同じく「いたくな鳴きそ」と呼びかけている。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、312頁(コマ160)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、350頁(コマ181)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日