古典ライブラリー

万葉集 巻第八 1480〜1481番

我が屋戸に 月押照れり

大伴書持(おおとものふみもち)

わが家の庭に月が一面に照っている。ほととぎすよ、心があるなら今夜来て鳴きとよもせ。わが家の花橘で、ほととぎすよ今こそ鳴け、友に会っている時なのだから。大伴書持の歌二首。

月に照らされた庭の花橘の前で、兄弟が酒を酌み交わしながらほととぎすを待っている

題詞大伴書持の歌二首

  1. 1我わ我わわががが屋や屋やや戸ど戸どどににに我屋戶爾1480
  2. 2月つき月つきつき押おし押おしおし照て照ててれれれりりり月押照有
  3. 3ほととぎすほととぎすほととぎす霍公鳥
  4. 4心こころ心こころこころあらあらあらばばば今こ今ここ夜よひ夜よひよい心有今夜
  5. 5來き來きき鳴な鳴ななききき響とよ響とよとよもせもせもせ來鳴令響
  6. 6我わ我わわががが屋に屋にに前は前ははののの我屋前乃1481
  7. 7花はな花はなはな橘たちばな橘たちばなたちばなににに花橘爾
  8. 8霍公鳥ほととぎす霍公鳥ほととぎすほととぎす霍公鳥
  9. 9今いま今いまいまこそこそこそ鳴な鳴ななかかかめめめ今社鳴米
  10. 10友とも友ともともににに遇あ遇ああへへえるるる時とき時ときとき友爾相流時

引用の仕方

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現代語訳

〔1480〕わが家の庭に、月が一面に照っている。ほととぎすよ、心があるなら、今夜来て鳴きとよもせ。

〔1481〕わが家の庭の花橘で、ほととぎすよ、今こそ鳴け。友に会っている時なのだから。

意訳

月の照る夜、友を迎えた宴の席で、書持はほととぎすに、心があるなら今夜こそ来て鳴いてくれと呼びかけている。

語釈・文法注

文法・本文

押照れり
一面に照っている。

和歌

作者
大伴書持(?–746)
大伴旅人の子で、家持の弟。若くして亡くなった。
出典
『万葉集』巻第八・雑歌・1480〜1481番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第4期(733〜759年(〜万葉集の最後の歌))
状況
大伴書持の歌二首。

修辞

呼びかけ
ほととぎすに鳴けと呼びかける。

解説

書持は家持の弟で、兄と同じく風雅を好んだ。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、312頁(コマ160)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、350頁(コマ181)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日