古典ライブラリー

万葉集 巻第四 710番

み空行く 月の光に

安都扉娘子(あとのとびらのおとめ)

空を渡る月の光で、ただひと目見ただけの人が、夢に見える。安都扉娘子の歌。

月明かりの下ですれ違った男女。女性が振り返って、去っていく人影を見つめている

題詞安都扉娘子の歌一首

  1. 1みみみ空そら空そらそら行ゆ行ゆゆくくく三空去
  2. 2月つき月つきつきののの光ひかり光ひかりひかりににに月之光二
  3. 3ただただただ一ひと一ひとひと目め目めめ直一目
  4. 4あひあひあい見み見みみししし人ひと人ひとひとののの相三師人之
  5. 5夢いめ夢いめいめにににししし見み見みみゆるゆるゆる夢西所見

引用の仕方

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現代語訳

空を渡る月の光のもとで、ただひと目見ただけの人が、夢に見える。

意訳

月の光のもとで、たった一度見かけただけの人が、夢に現れる。ほんの一瞬の出会いが忘れられない、ほのかな恋心を歌っている。

語釈・文法注

文法・本文

あひ見し
出会って見た。

和歌

作者
安都扉娘子(生没年未詳)
伝未詳。
出典
『万葉集』巻第四・相聞・710番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第3期(710〜733年(平城京遷都〜山上憶良の没年ごろ))
状況
安都扉娘子の歌。

解説

701番の河内百枝娘子の歌と同じく、月夜のひと目の出会いを歌っている。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、176頁(コマ92)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、186頁(コマ99)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日