古典ライブラリー

万葉集 巻第四 668番

朝に日に 色づく山の

厚見王(あつみのおおきみ)

日ごとに色づいていく山にかかる白雲のように、思いが過ぎ去って忘れてしまえるあなたではないのに。厚見王の歌。

日ごとに紅葉の進む山に白雲がかかり、それを男がじっと見つめている

題詞厚見王の歌一首

  1. 1朝あさ朝あさあさににに日け日けけににに朝爾日爾
  2. 2色いろ色いろいろづくづくずく山やま山やまやまののの色付山乃
  3. 3白しら白しらしら雲くも雲くもくもののの白雲之
  4. 4思おも思おもおもひひい過す過すすぐぐぐべきべきべき可思過
  5. 5君きみ君きみきみにににあらあらあらなくなくなくににに君爾不有國

引用の仕方

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現代語訳

朝ごと日ごとに色づいていく山の白雲のように、思いが過ぎ去ってしまえるあなたではないのに。

意訳

山にかかる白雲はやがて流れ去るが、あなたへの思いは雲のように過ぎ去ってしまうものではないと、変わらない心を歌う。

語釈・文法注

文法・本文

朝に日に
毎朝毎日、日ごとに。

和歌

作者
厚見王(生没年未詳)
奈良時代の皇族。
出典
『万葉集』巻第四・相聞・668番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第3期(710〜733年(平城京遷都〜山上憶良の没年ごろ))
状況
厚見王の歌。

修辞

序詞
「朝に日に色づく山の白雲の」が「思ひ過ぐ」を導く。

解説

秋の山の情景を序詞にした、清らかな恋の歌である。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、170頁(コマ89)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、181頁(コマ96)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日