古典ライブラリー

万葉集 巻第四 664番

石上 ふるとも雨に

大伴像見(おおとものかたみ)

雨が降っても、雨に妨げられたりするものか。あの娘に逢おうと言ってしまったのだから。大伴像見の歌。

雨の降りしきる夜道を、男が笠もかぶらずに急いでいる

題詞大伴宿禰像見の歌一首

  1. 1石上いそのかみ石上いそのかみいそのかみ石上
  2. 2ふるふるふるともともとも雨あめ雨あめあめににに零十方雨二
  3. 3障さは障さはさわらららめめめややや將關哉
  4. 4妹いも妹いもいもににに逢あ逢ああははわむむんととと妹似相武登
  5. 5言い言いいひひいてててしししものものものををを言義之鬼尾

引用の仕方

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現代語訳

(石上)雨が降っても、雨に妨げられたりするものか。あの娘に逢おうと言ってしまったのだから。

意訳

恋人と逢う約束をしたからには、雨が降ろうとかまわず行くと、男の意気込みを歌う。「石上布留」の地名から「降る」を導いている。

語釈・文法注

文法・本文

石上
石上の布留から「ふる」を導く枕詞。
障らめや
反語。妨げられようか。

和歌

作者
大伴像見(生没年未詳)
奈良時代の官人。
出典
『万葉集』巻第四・相聞・664番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第3期(710〜733年(平城京遷都〜山上憶良の没年ごろ))
状況
大伴像見の歌。

修辞

枕詞
「石上」が「ふる」にかかる。

解説

原文の「鬼尾」は「ものを」と読ませる戯書で、鬼を「もの」と読む。

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出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、170頁(コマ89)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、180頁(コマ96)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日