万葉集 巻第四 618番
さ夜中に
真夜中に友を呼ぶ千鳥が、物思いに沈んでいる時に、むやみに鳴いている。大伴家持に贈った大神女郎の歌。
場面イラスト(準備中)
題詞大神女郎、大伴宿禰家持に贈れる歌一首
現代語訳
真夜中に友を呼んで鳴く千鳥よ。物思いに沈んでつらく思っている時に、むやみに鳴き続けて。
意訳
真夜中、友を呼ぶ千鳥の声が聞こえる。恋の物思いに沈んで眠れずにいる時に、その声がいっそう心にしみて、むやみに鳴かないでくれと思う。千鳥が仲間を呼ぶ声に、恋しい人を求める自分の心を重ねている。
語釈・文法注
文法・本文
- 侘び居る
- 思い悩んで、つらく思っている。
- もとな
- むやみに。
和歌
- 作者
- 大神女郎(生没年未詳)
伝未詳。大伴家持に歌を贈った女性。 - 出典
- 『万葉集』巻第四・相聞・618番
- 歌体
- 短歌(五七五七七)
- 時期
- 第4期(733〜759年(〜万葉集の最後の歌))
- 状況
- 大神女郎が大伴家持に贈った歌。
解説
結句を「もとな」で言いさした余情のある歌である。
関連
出典
- 底本
- 佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、164頁(コマ86)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 原文
- 佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、173頁(コマ92)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日