古典ライブラリー

万葉集 巻第四 504番

君が家に

柿本人麻呂の妻(かきのもとのひとまろのつま)

あなたの家に私が住む、という名の住坂の、あなたの家への道を、私は決して忘れません。命のある限りは。人麻呂の妻の歌。

坂道の上から、女性が遠くの家並みを見下ろしている

題詞柿本朝臣人麻呂の妻の歌一首

  1. 1君きみ君きみきみががが家いへ家いへいえににに君家爾
  2. 2吾わが吾わがわが住坂すみさか住坂すみさかすみさかののの吾住坂乃
  3. 3家いへ家いへいえ道ぢ道ぢじをををももも家道乎毛
  4. 4吾われ吾われわれははは忘わす忘わすわすれれれじじじ吾者不忘
  5. 5命いのち命いのちいのち死し死ししなななずずずははは命不死者

引用の仕方

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現代語訳

あなたの家に私が住む、という住坂の、あなたの家への道を、私は忘れません。命が絶えない限りは。

意訳

住坂という地名に、「あなたの家に私が住む」という意味をかけ、通い慣れたあなたの家への道は、命のある限り決して忘れないと誓う歌である。

語釈・文法注

文法・本文

吾住坂
「わがすみさか」。地名の住坂(奈良県宇陀市)に、「我が住む」をかける。

和歌

作者
柿本人麻呂の妻(生没年未詳)
柿本人麻呂の妻。名は伝わらない。
出典
『万葉集』巻第四・相聞・504番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第2期(672〜710年(壬申の乱〜平城京遷都))
状況
柿本人麻呂の妻の歌。

修辞

掛詞
「住坂」に「我が住む」をかける。

解説

住坂は大和から伊勢へ向かう道筋にあり、壬申の乱の記事にも見える地名である。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、149頁(コマ78)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、156頁(コマ84)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日