枕草子 第316段 随想的章段
清げなる若き人の
こざっぱりとした若い男が、直衣も袍も狩衣も立派で、衣を重ねて袖口が厚く見えるのが、馬に乗って行く途中で、供の男が差し出す立文を、目をそらしたまま受け取るのが趣深いという。
場面イラスト(準備中)
- 1清清きよげげげなるなるなるわかきわかきわかき人人ひとのののなほしなほしなおしももも、、、うへのきぬうへのきぬうえのきぬももも、、、狩衣狩衣かりぎぬもももいといといとよくよくよくててて、、、きぬきぬきぬがちがちがちににに袖口袖口そでぐちあつくあつくあつく見見みえええたるたるたるががが、、、馬馬うまににに乘乘のりりりててていくいくいくまゝまゝままににに供供ともなるなるなるをのこをのこおのこたてたてたて文文ぶみををを目目めをををそらそらそらにてにてにて取取とりりりたるたるたるこそこそこそをかしけれをかしけれおかしけれ。。。
現代語訳
こざっぱりとした若い人が、直衣も、袍も、狩衣もたいそうよく、衣を何枚も重ねて袖口が厚く見えるのが、馬に乗って行く途中で、供の男が差し出す立文を、目はよそに向けたまま受け取るのは趣がある。
意訳
馬上の若い貴公子が、供の者から手紙を受け取る一瞬をとらえた小品である。目をそらしたまま手紙を受け取るさりげない仕草に、余裕と気品が感じられる。
語釈・文法注
文法
- 「たて文」
- 立文。正式な書状の形式で、縦に細く折りたたんだもの。
解説
人物の一瞬の仕草をとらえた、作者の得意とする描写である。
関連
出典
- 底本
- 丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、365頁(コマ194)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日